『朝まで生テレビ!』(1992)の番組資料としてまとめられ、『週刊エコノミスト』2000号(1992)に論文として掲載されたもの。ヤクザや暴力団についての概要を知るための資料。17分割で再録。著作権は著者が保持。

* 以下は『週刊エコノミスト』1992年掲載当時のままの原稿の再録です。

14)ヤクザはいま何をしているのか

では、ヤクザはいま何をしているのだろうか。薬は、それこそ中世以来のヤクザの伝統商売であり、ヤクザは現代においても各種の「マヤク」を販売していると言われる。それも、「薬、九層倍」と言うように、もともと非常に利幅の大きい分野であり、89年度で業界全体で4500億円以上の収益となったとされている。もっとも、今日の上部団体の多くは、薬の取引を厳禁している。というのも、摘発された場合、組織全体がそのルートとして有罪になり、壊滅してしまうからである。

また、もうひとつのヤクザ伝統商売である「トバク」は、65年以来、非現行犯でも逮捕されるようになり、その主催者として幹部が逮捕される危険性が高いために、マヤク同様、厳格に水面化に潜ってしまっているが、それでも、ノミ行為を含めて2000億円強の収益となっていると言われる。しかし、バブル時代にあっては、株式市場の方が公営トバク場と化し、資金もこちらに流れてしまったと思われる。


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