日本経済と暴力団(『週刊エコノミスト』2000号(1992)から)12/17/純丘曜彰 教授博士
『朝まで生テレビ!』(1992)の番組資料としてまとめられ、『週刊エコノミスト』2000号(1992)に論文として掲載されたもの。ヤクザや暴力団についての概要を知るための資料。17分割で再録。著作権は著者が保持。
* 以下は『週刊エコノミスト』1992年掲載当時のままの原稿の再録です。
12)ヤクザの組織的行動力
「ヤクザ」の語源には諸説あるが、おそらくそれは「役座」すなわち臨時職人の組織を意味してきたのだと考えられる。これは、英語で言えば「タスクフォース」に相当する。したがって、彼らは犯罪を目的とするわけではない。ただ、その目的のためには、世間的な意味での犯罪をも辞さない、という強烈な行動力を持っているということである。
ヤクザは、その特徴を強固な組織性に持つ。つまり、先述のように、たんに粗暴なだけの逸脱者は、「チンピラ」ではあっても、本物の「ヤクザ」と呼ぶには足らない。なぜこの組織性が重要であるかと言えば、第一には、この組織性こそが、ヤクザのタスクフォースとしての行動力を生み出す源泉だからである。たとえば、62年には、山口組は博多事件(夜桜銀次殺害事件)に対してわずか二日で三百人以上を現地に動員している。もっとも、その後は軍資金や逮捕者が少なくてすむ単独行動方式が主流になっているが、それでも、資金や武器の調達、情報や移動の世話など、その全国組織(世界組織)による支援を背景とするその計画的な行動力は、たんに粗暴なだけのチンピラとはまったく別の次元にある。
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* 以下は『週刊エコノミスト』1992年掲載当時のままの原稿の再録です。
12)ヤクザの組織的行動力
「ヤクザ」の語源には諸説あるが、おそらくそれは「役座」すなわち臨時職人の組織を意味してきたのだと考えられる。これは、英語で言えば「タスクフォース」に相当する。したがって、彼らは犯罪を目的とするわけではない。ただ、その目的のためには、世間的な意味での犯罪をも辞さない、という強烈な行動力を持っているということである。
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