鉄道係員への暴力発生状況は? 「週末22時以降、飲酒伴う」ケースで多発。

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日本民営鉄道協会と鉄道各社は、平成22年度(22年4月〜23年3月)に発生した駅員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為件数を集計・発表した。その結果、22年度の発生件数は868件と昨年度の869件とほぼ同数で、依然として高い件数で推移している。

この件数は大手民鉄16社、JR3社(東、東海、西)、東京都交通局、横浜市交通局、大阪市交通局、東京モノレール、北総鉄道、愛知環状鉄道、計25社局の暴力行為件数をまとめたもの。発生状況は「週末の22時以降、飲酒を伴った場合」に多発する傾向が現れており、年齢別では幅広い年代に分布している。

発生状況を細かく見ていくと、件数が最も多かったのはそれぞれ月別が7月で97件、曜日別は日曜日の155件、時間帯別は深夜(22時〜5時)の343件だった。

また、加害者の飲酒の有無については、485件(55.9%)が「飲酒あり」で、以下、「飲酒なし」(296件/34.1%)、「不明」(87件/10.0%)。加害者の年齢は「60代以上」(170件/19.6%)がトップで、これに「40代」(167件/19.2%)、「50代」(164件/18.9%)、「30代」(158件/18.2%)、「20代以下」(120件/13.8%)、「不明」(89件/10.3%)と続いた。

発生場所は「改札」(373件/43.0%)が最多。これ以外の場所では「ホーム」(218件/25.1%)、「車内」(103件/11.9%)、「通路」(43件/5.0件)となった。

こうした状況を受け、鉄道事業者76社局は共同で「暴力行為防止ポスター『暴力…もう見たくない。』」を制作。7月15日から駅構内や列車内へ掲示し、暴力行為の防止を呼びかけていく。