マーケティングのキモは、「未充足ニーズを発見して、充足させるしくみを作ること」でもあるが、言うは易く行うは難し。まず、発見することが難しい。そして、それが顕在化したとしても、継続的に提供するしくみ化することが難しいのだ。


 ドラマの「君の名は」というタイトルを聞いて思い出す方は、それなりの年齢であるのは間違いない。初演は1952年。NHKラジオ連続放送劇として。54年に松竹で映画化され、主演女優の岸惠子のショールの巻き方「真知子巻き」が大流行した。テレビドラマ化は4度されているが、最も新しいものが91年のNHK連続テレビ小説で、ヒロイン役は鈴木京香だった。そのテーマは「すれ違い」。
 第二次大戦の東京大空襲の中で知り合った名も知らぬ男女二人が、銀座・数寄屋橋で再会を誓い合いながら、運命のいたずらで何度もすれ違いを繰り返す。視聴者はその不条理さに身もだえしながら固唾をのんで見守るのだった。

 1月19日付・日経MJ総合小売面の小さな記事。「有料配達、高齢者に的 京成ストア、千葉県で実験」とタイトルにある。記事によれば、食品スーパーの京成ストア(東京・葛飾)は、店舗で顧客が購入した商品を有料で自宅に配達する実験を始めたという。店員の手の空いた時に無料配送するサービスは昨今、他の中小スーパーでも行なわれているが、同社は需要の高まりに対し、サービスを拡充。外出・来店困難な高齢者のためには電話での注文・配送も行なう。

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