まずは目標を定めよ!ファナックのプライシングに学ぶ/金森 努
1月12日付・日経新聞1面の連載コラム「企業 強さの条件」第7部の初回は工作機械数値制御装置の最大手・ファナックが紹介された。そこから学ぶべき点は多い。
実に世界シェア6割という同社は、富士山のふもと、山梨県忍野村に本社を置く。記事の「ファナックの国産宣言」というタイトル、小見出しの1つに「1カ所で作る」とある通り、同社のポリシーは本社と同じ場所に向上を集約しておくことだ。研究開発・設計・生産を集約するものづくりのメリットを活かす同社のポリシーである。
記事にはもう1つの小見出しがある。「まず価格を決める」。
価格の設定方法は、<内外約200カ所に置いた保守サービス拠点を通じて市場の変化や顧客の要望を吸い上げ、競合他社に負けない価格を探る。価格から一定の利益を引いて製造原価を算出する。この原価に収めるのが設計の絶対条件。原価に利益を上乗せし価格を決める手法の逆を行く>とある。
ファナックのプライシング手法は、「ターゲット価格設定」という。想定される事業規模をもとに、一定の利益が確保できるように価格を設定する。工場設備装置の稼働率が利益に大きく影響する業種で採用されることが多い。一方の原価に利益を上乗せする手法は「マークアップ価格設定」原価に一定の利益のマークアップ(上乗せ)を行うことを意味している。多品種生産などの場合に適している。
原理原則からすれば、ファナックに「ターゲット価格設定」という価格設定手法が向いているというわけではない。それは同社のポリシーだ。記事では、<「ありきたりの設計を製造段階で改善しようとしてもどだい無理」「利益は開発時点で決まり、製造段階では生まれない」>と、同社の創業者で名誉会長の稲葉清右衛門氏の言葉を紹介している。
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実に世界シェア6割という同社は、富士山のふもと、山梨県忍野村に本社を置く。記事の「ファナックの国産宣言」というタイトル、小見出しの1つに「1カ所で作る」とある通り、同社のポリシーは本社と同じ場所に向上を集約しておくことだ。研究開発・設計・生産を集約するものづくりのメリットを活かす同社のポリシーである。
価格の設定方法は、<内外約200カ所に置いた保守サービス拠点を通じて市場の変化や顧客の要望を吸い上げ、競合他社に負けない価格を探る。価格から一定の利益を引いて製造原価を算出する。この原価に収めるのが設計の絶対条件。原価に利益を上乗せし価格を決める手法の逆を行く>とある。
ファナックのプライシング手法は、「ターゲット価格設定」という。想定される事業規模をもとに、一定の利益が確保できるように価格を設定する。工場設備装置の稼働率が利益に大きく影響する業種で採用されることが多い。一方の原価に利益を上乗せする手法は「マークアップ価格設定」原価に一定の利益のマークアップ(上乗せ)を行うことを意味している。多品種生産などの場合に適している。
原理原則からすれば、ファナックに「ターゲット価格設定」という価格設定手法が向いているというわけではない。それは同社のポリシーだ。記事では、<「ありきたりの設計を製造段階で改善しようとしてもどだい無理」「利益は開発時点で決まり、製造段階では生まれない」>と、同社の創業者で名誉会長の稲葉清右衛門氏の言葉を紹介している。
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