これは、昨年(2010年)後半、メルマガ『スーパー広報術』に連載した記事を統合・一部リライトしたものです。なお、原書に基づいて執筆したため、翻訳版とは日本語の表現が若干異なっています。

●ブランドの所有者は消費者

2010年10月頭、米GAPが公式ベージ上のロゴマークを新しいマークに切り替えたところ、ツイッターやフェイスブックなど、ソーシャルメディアで消費者からの反対の声が上がり、わずか数日後には、元のロゴマークに戻すという事件がありました。今月(2011年1月)にも、スターバックスのロゴマーク変更に対して、利用者から賛否両論の意見が湧きあがっていますね。

ブランドは、いったん成立したら、もはや企業のものではなく消費者のものであると言われてきました。この言葉が単なるお題目ではなく現実にそうであることを「GAPロゴマーク事件」は実感させてくれました。

Marketing 3.0では、イケアのフォント事件が紹介されています。
イケアは、 2010年からカタログなどに利用している文字を従来の「FUTURA」から「VERDANA」に変更しました。

「VERDANA」は、紙でもWEBでも使いやすいこと、また「FUTURA」は
有料でしたが「VERDANAは無料のため、コスト削減にもつながり、
それが顧客の利益にもなるという判断だったようです。

ところが、やはり消費者の反発を受け、元のフォントに戻すオンラインの署名活動が行われたほどでした。新しいフォントは、イケアの持つスタイリッシュなブランドイメージにそぐわないということらしいのです。

イケアの場合、旧フォントに戻すまでには至っていませんが、ソーシャルメディアによって消費者が横につながり、社会的な発言力を高めたおかげで企業に対する賛成、あるいは反対の意向が即座にかつ明確に社会に広まるようになったこと。

これが、消費者を真の意味でブランドの所有者にしたのでしょう。

●望ましいブランドミッション


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