福袋のリスク回避行動/松尾 順
今年のお正月、福袋は買いましたか?


私は最近は、「欲しいものだけ買いたい」「あんまり冒険したくない」と考えるようになったのでめったに買いません。

どうやら、同じような人が増えているようです。

・あらかじめ中身が書いてあるもの
・サンプルが展示してあるもの
・袋が透明になっていて中身が見えるもの

といった福袋が主流になってきましたよね。

ECサイトで販売されてる福袋も、冷静に考えれば、単なる「セット割引販売」です(笑)

まあ、年に1度のお楽しみにケチをつけるつもりはありません。しかし、本来、何が入ってるかわからないという「サプライズ」を買うという、福袋の価値がずいぶん変化してきたわけです。

そもそも、人間の購買行動には、何らかの「欲求」を充足したいという「欲求充足行動」に加えて、購買に伴う「リスク」を回避したいという、「リスク回避行動」があります。

おそらく、中国やインドなど成長期にある国の人々では、あまりリスクを恐れず、欲しいものをどんどん買うという「欲求充足行動」が強くでます。

一方、ほとんどの欲求は一通り充たされており、また個人所得が目減りしている日本の現状では、「リスク回避行動」の方が、「欲求充足行動」よりも強くなってしまうのは当然なのかもしれません。

ちなみに、「リスク回避行動」は非常に重要な概念だと思うのですが、これに触れてある本が意外に少ないのです。ほとんどのマーケティング本でも、
欲求、つまり「ニーズ」「ウオンツ」について書いてないものはありませんが、
購買に伴うリスク回避を取り上げているものはあまりないのです。

私のメルマガ&ブログ記事では折に触れ、リスク回避行動についてご説明しますね。

最後に参考までに、リスク回避行動の6タイプについて補記しておきます。

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(1)機能的リスク

   商品の品質や性能が期待通りでないかもしれない

(2)心理的リスク


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