そして、韓国の攻撃スタイルについて。守備は4-4-2をコンパクトにして相手の攻撃を阻害するスタイル。攻撃はカウンターとロングボールが中心であった。コンパクトな守備で日本のミスを誘って、ボールを奪ったら一気に速攻を仕掛ける。それか、前線にボールをぶつける。韓国の攻撃の面白かったところはFWとSHの位置。SHにが中央に入ってきて、FWがサイドに流れることが多かった。昨年のCLでアンリとエトーがツートップだけど、実際は二人ともWGの位置にいたことを思い出してくれると助かるよん。

 つまり、ポジションチェンジアタックである。また、屈強なFWが相手の屈強なCBと競り合うのでなく、SBと競り合うことで空中戦の勝率を上げているように見えた。でも、普通に中澤に競り勝っていたけどね。で、一番面白かったのが7分の場面。相手が珍しくビルドアップ→韓国がポジションチェンジアタックを敢行→日本はマークの受け渡しを行わずに、そのままついていった結果、逆サイドが久しぶりのワイドオープンみたいな。

 朴智星が妙にフリーでいたのは、彼の運動量や世界基準の技術ってやつなんだろうけど、日本のボールを持っていない選手への対応がまずかったって理由を見逃したらいけないんだろうなって感じ。韓国はマークの受け渡しがスムーズに行われていたので、いくら動いても日本の選手はなかなかフリーでボールを受けられなかった。

 じゃ、なぜに日本はマークの受け渡しができなかったのか。それはザ・ハエ戦術にある。蠅がたかるように守備をするんじゃいと言われた日本は、基本的にどこまでも相手を追いかけまわすスタイルである。今日も岡崎は走っていた。本当に偉いと思う。でも、そんな守備をしていたら、世界では通用しないけど、日本代表には選ばれる悲しい現実である。

 そんな日本の前プレ戦術を韓国は理解していたのだろう。なので、韓国はその前プレに真っ向から挑むのではなく、ロングボールで中盤を省略していた。しかし、韓国は適当にけるのではなくて、ちゃんと日本の選手が前にプレスをかけてくるまで待っている場面が多かった。体力を浪費させるために。

しかも、連動した守備をしないと監督に怒られるのだろう。ひとつのボールに対して、ハエのように何人も寄ってくる場面が見られた。しかし、ロングボールでかわされたり、捨てた自分のゾーンにボールを運ばれたりとふんだりけったりであった。低いDFラインで相手をおびき寄せる韓国は結構がちだったと思う。

 なので、日本の守備はぐちゃぐちゃであった。ロングボールでラインを下げさせられ、前プレで相手陣地にいる前線の選手は全速力で自陣に撤退のエンドレスリピート。なので、セカンドボールを拾えるわけもなく。相手のロングボールをなんとかマイボールにしても、前線が遠いし、こういう状況では、相手が一気にプレスを掛けてくるので、危機的な日本みたいな。

 前半の良かったところは、こういう状況でも大久保と長友が積極的に仕掛けていたところ。ああうまくいっていないなって状況で、個人技で仕掛けたり、余計に走ってみたりする工夫が必要である。これが11人になれば、日本も強くはなるかと思う。ただし、個人がバラバラで努力している感じで、イメージが共有出来ないと苦しいかと。長谷部も頑張りは認められるのだけど。

 で、後半の韓国はワントップに変更。でも、日本の状況によって、システムを変える柔軟性を見せていた。でも、60分過ぎからサイドの守備をサボるようになる韓国。これは本番だったら、見られない甘さなんだろう。日本は俊輔、本田、遠藤を交代するという、なかなかショッキングな交代劇が見られた。まさかの世代交代か。ポルトガルで大会中に世代交代があったと記憶しているのは誤りかどうか。