チベット仏教の指導者でチベット亡命政府を率いるダライ・ラマ14世が米ニューヨーク市内で20日「私はマルクス主義者だ」と発言した。ボイス・オブ・アメリカが報じた。

 ダライ・ラマは記者に対して、「資本主義は、利益を得ることだけに関心を持つ。ただし、中国共産党が資本主義を取り入れて、新たな自由と比較的高い生活水準をもたらしたことは、称賛する」、「中国の人々は裕福になるにつれ、独立した司法体系や報道の自由など、いっそう多くの自由を求めるようになる」と述べた。

 自らについては「私はマルクス主義者だ」、「マルクス主義経済は、いわゆる道徳や倫理を備えている」と述べた。

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◆解説◆ ダライ・ラマは少なくとも公的な場では、中国政府への一方的な非難をできるかぎり避けてきた。「いかなる魂・心の中にも善意を見いだすことができるとの、仏教者としての信念にもとづく」との評価がある一方、中国などでは「客観性をアピールすることで、中国を批判する主張の説得力を高めようとする、政治的思惑」との見方も強い。(編集担当:如月隼人)



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