自らの立ち位置が、多数派になったのを確認した後に文句を言うのは、ちょっとかっこ悪い。やっぱり文句は、少数派でいるうちから言っておかないと、重みやインパクトに欠ける。「赤信号みんなで渡れば怖くない」ではないけれど、いま岡田続投に反対してもリスクは一切、生じない。勝負している感じはしない。むしろ批判は、大衆迎合になる。

いま、格好良く見えるのは(?)、岡田続投賛成の意見になる。かつては多数派だったがいまは少数派。少なくとも、岡田采配や犬飼会長発言を肯定するにはリスクがいる。勝負している感じはある。

ファンを含めた日本のサッカー界にズバリ欠けているのは、この勝負する精神だ。リスクを負う気構えだ。先の東アジア選手権の最終戦で対戦した韓国の選手は、局面で「勝負」を挑んでいた。日本人にはない格好良さをそこに覚えたのは、僕だけではないはずだ。

片や日本人の選手は勝負しない。奪われてもオッケーな場所でさえ、勝負を避けてパスを回す。絶対にあるはずの監督批判も、絶対に口にしない。相変わらず、嘘臭い社会の一員を構成している。OBの解説者の中は「悪いのは監督だけではない」と、岡田サンに助け船を出そうとする輩さえいる。支持するなら支持するとハッキリ言った方が、100倍格好良く見えるのに。

ブーイングが出たのを確認するかのように、急に岡田批判を開始したメディアもそうだ。専門性は疑われる。

確信を抱いたら、その瞬間、口にすることだ。こりゃダメだと思ったら、周囲を気にせず1人ブーイングすべき。ファンが勝負しないと、選手も勝負しない。奇妙なパスパスサッカーを助長させるだけだ。その素早い反応こそが、日本サッカーを良くする方法だと僕は思う。

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