ジョージ・パッカー『イラク戦争のアメリカ』(みすず書房)を読む。




600ページの大作。読み応えアリ。4200円(本体)という値づけも、まあ妥当か。

しかし、アメリカ、大変です。なんだか気の毒になるくらい。ぼくに気の毒がられたくないか。

アメリカが攻め込んだ後、イラクのいわゆるインフラはガタガタになりましたが、その復興資金はどうなったか。

《議会は、一八四億ドルのイラク復興費用を含む、八七〇億ドルの歳出法案を大急ぎで可決した。(中略)歳出法案可決から一〇カ月後の二〇〇四年八月になっても、一八四億ドルのうち四億ドル――およそ二パーセント――しか支出されていなかった。ごく一部を除く大半の金が諸経費、警備(契約のおよそ四〇パーセントを占めていた)、汚職、儲けに消え、その頃になってもイラクの下請け会社は金をまったく受け取っていなかった。》(p299)

イラク人の懐までおカネが回っていかないと、不満は高まるばっかりで。

……あれ。日本も、おカネ出してなかったっけ。ちゃんと有意義に使われたんだろうか。

どこかのオリンピックのときみたいに、後で何に使われたか調べようとしても、「帳簿は捨てちゃいましたー!」ってなるのかなあ。

そういや、日本がイラクに作った浄水施設、キレイにはなるが塩水のまま、とても飲めたもんじゃない、現地の人は洗い物に使うだけ、という記事をかつて読んだな。

現場の兵士の述懐。


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