【最新ハイテク講座】宮崎哲弥氏もお世話になってる「RSS」ってどんな技術?
IT社会といわれる現代ではインターネットは欠かせない存在となっている。インターネットが普及するまでの調べ物は辞書を引いたり図書館に出かけたりするしかなかったが、今やパソコンでいつでも好きなときにインターネットから知りたい情報を得られる時代になった。
情報の宝庫となったインターネットだが、年々情報量が増え、自分が知りたい情報や知識が掲載されてるページを探すのが面倒になってきた。
そんなときに重宝するのが「RSSリーダー」と呼ばれるツールだ。
RSSリーダーは、よく見るニュースサイトやブログが更新されたら自動で知らせてくれる便利なツールで、インターネット情報の見張り番のような存在でもあるソフトだ。
RSSをうまく使えば、手間や時間をかけずに効率よく情報を収集できる。毎月200冊読破の速読力を持つ評論家の宮崎哲弥氏も、情報収集と整理にRSSリーダーを利用しているほどだ。またiPodで利用できるポッドキャスティングにもRSSの技術が利用されている。
・宮崎哲弥の「情報収集術」毎月200冊読破の速読力 秘密はRSSリーダー?
・宮崎哲弥 RSSリーダー活用の「情報収集術」を語る
このように便利なRSSリーダーは、ブログやWebページが公開している「RSS」をチェックしているのだ。
今回は、RSSリーダーの歴史とともに。RSSの仕組みや技術をみてみよう。
■RSSとそれを支える技術
RSSはどのようにして生まれたのだろうか。どのような技術が使われているのだろうか。簡単にまとめてみた。
●RSSリーダーって何?
RSSとは、ニュースやブログに代表されるインターネット上の更新情報をまとめて配信するための文章フォーマットの総称だ。音楽や動画を再生するのに専用プレーヤーが必要なのと同様に、RSSの情報を表示させるためには「RSSリーダー」と呼ばれる専用ツールが必要だが、ブラウザの中にはOperaのように標準でRSSリーダー機能を備えているものもある。
RSSリーダーは、パソコン上で実行するアプリケーション型と、ネット上からサイトの更新状態をチェックできるWebサービス型の2種類に大別できる。Webサービス型はネット上で動作するため自宅と会社でパソコンが違ってもアプリケーション型のように同期する必要がない。
●RSSの歴史と種類
最初のRSSは1999年、米国のネットスケープコミュニケーションズが自社のポータルサイト「My Netscape」で、「チャンネル」の詳細を表示するために開発された。RDFを使用していたので「RDF Site Summary」と呼ばれていたが、同社はその後RDFの利用をやめて独自のXMLを用いたRSS 0.91を作成した。ところがRSS 0.91に独自の拡張を行う者があらわれたことから混乱を招くことになる。
こうした混乱を避けるために2000年12月、RSS-DEVワーキンググループはRSS 1.0を発表。RSS 1.0では、RSS 0.9で使用されていたRDFを再び採用している。RSSでよく使われる要素を「コア」として定義し、それ以外は拡張する者が用意する「モジュール」としている。
RSS 2.0は、2002年8月に公開された。RSS 2.0は、それ以前のRSS 0.91からRSS 0.94までの互換性を保証した規格で、「Really Simple Syndication」と名付けられたが、RSS 1.0との互換性はなない。
表1.RSSの種類
表1のようにRSSにはいくつかの種類があるものの、現在RSSリーダーがその違いを吸収しているかたちだ。
●RSSの使い方とそれを支える技術
RSSリーダーでは、RSS対応サイトが公開しているRSSフィードを登録することでサイトの更新情報や更新内容(記事のなど)の概要を得ることができる。RSS 1.0のRSSフィードでは情報のメタデータ化にRDFを使用し、その情報をXMLベースの言語で記述している。
RSSの仕組みをわかりやすく理解するために書籍を整理する方法を例にして考えてみよう。
書籍を分類する場合、「タイトルと著者」、「出版社」、「発行年月日」、「定価」「ジャンル」などでデータを作成すると目的の書籍を見つけやすくなる。この一連のデータが「メタデータ」と思えばいい。
ただ、メタデータをRSS制作者が勝手に決めてしまうと、せっかく作成したデータに互換性がなくなってしまう。そこで必要になった統一規格が「RDF」と呼ばれるものだ。
XMLはマークアップ言語のひとつで、「Extensible Markup Language(拡張可能なマークアップ言語)」の略称だ。HTMLと同様に、「タグ」と呼ばれる括弧(< >)で区切られた要素を使用してデータ構造で表現するが、内容はHTMLとは内容は異なる。
RSSリーダーへのRSSフィードの登録方法はRSSリーダーやRSS対応サイトごとで異なるが、さほど難しい作業ではない。ちなみにライブドアが提供するRSSリーダー「livedoor Reader」を使ってポータルサイト「livedoor」の情報を得る場合には、下記のサイトの青いアイコンをクリックするだけで、その情報のRSSフィードをlivedoor Readerに登録できる。
・livedoorで提供しているRSS - livedoor
■RSSの課題と今後
現在のRSSは、RSS 0.9x、RSS 1.0、RSS 2.0が混在している状態だ。それぞれのRSSで記述が異なるので、互換性がない。そこでIBMのSam Ruby氏が中心となり、「Atom」と呼ばれる新しい規格が考案されている。
Atomは新しい規格だが、Webログツール「Movable Type」の開発元であるSix Apart社やスタンフォード大学法学部のローレンス・レッシグ教授、XML開発者のTim Bray氏などがすでに支持を表明している。GoogleもGmailのメールの内容をAtomフィードで提供するサービスを開始した。
Atomは互換性がないRSSのバージョン問題を解決するために登場したわけだが、事実上RSSと対立する規格となっていることからRSSの世界をさらに混乱させるのではないかと懸念もされている。
参考:
・RSS | Atom - ウィキペディア
・Web更新情報が手軽にとれるRSS - @IT
・プロが語る「私の情報収集術」 - livedoor
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情報の宝庫となったインターネットだが、年々情報量が増え、自分が知りたい情報や知識が掲載されてるページを探すのが面倒になってきた。
RSSリーダーは、よく見るニュースサイトやブログが更新されたら自動で知らせてくれる便利なツールで、インターネット情報の見張り番のような存在でもあるソフトだ。
RSSをうまく使えば、手間や時間をかけずに効率よく情報を収集できる。毎月200冊読破の速読力を持つ評論家の宮崎哲弥氏も、情報収集と整理にRSSリーダーを利用しているほどだ。またiPodで利用できるポッドキャスティングにもRSSの技術が利用されている。
・宮崎哲弥の「情報収集術」毎月200冊読破の速読力 秘密はRSSリーダー?
・宮崎哲弥 RSSリーダー活用の「情報収集術」を語る
このように便利なRSSリーダーは、ブログやWebページが公開している「RSS」をチェックしているのだ。
今回は、RSSリーダーの歴史とともに。RSSの仕組みや技術をみてみよう。
■RSSとそれを支える技術
RSSはどのようにして生まれたのだろうか。どのような技術が使われているのだろうか。簡単にまとめてみた。
●RSSリーダーって何?
RSSとは、ニュースやブログに代表されるインターネット上の更新情報をまとめて配信するための文章フォーマットの総称だ。音楽や動画を再生するのに専用プレーヤーが必要なのと同様に、RSSの情報を表示させるためには「RSSリーダー」と呼ばれる専用ツールが必要だが、ブラウザの中にはOperaのように標準でRSSリーダー機能を備えているものもある。
RSSリーダーは、パソコン上で実行するアプリケーション型と、ネット上からサイトの更新状態をチェックできるWebサービス型の2種類に大別できる。Webサービス型はネット上で動作するため自宅と会社でパソコンが違ってもアプリケーション型のように同期する必要がない。
●RSSの歴史と種類
最初のRSSは1999年、米国のネットスケープコミュニケーションズが自社のポータルサイト「My Netscape」で、「チャンネル」の詳細を表示するために開発された。RDFを使用していたので「RDF Site Summary」と呼ばれていたが、同社はその後RDFの利用をやめて独自のXMLを用いたRSS 0.91を作成した。ところがRSS 0.91に独自の拡張を行う者があらわれたことから混乱を招くことになる。
こうした混乱を避けるために2000年12月、RSS-DEVワーキンググループはRSS 1.0を発表。RSS 1.0では、RSS 0.9で使用されていたRDFを再び採用している。RSSでよく使われる要素を「コア」として定義し、それ以外は拡張する者が用意する「モジュール」としている。
RSS 2.0は、2002年8月に公開された。RSS 2.0は、それ以前のRSS 0.91からRSS 0.94までの互換性を保証した規格で、「Really Simple Syndication」と名付けられたが、RSS 1.0との互換性はなない。
種類 | 名称 |
RSS 0.9/RSS 1.0 | RDF Site Summary |
RSS 0.91 | Rich Site Summary |
RSS 2.0 | Really Simple Syndication |
表1のようにRSSにはいくつかの種類があるものの、現在RSSリーダーがその違いを吸収しているかたちだ。
●RSSの使い方とそれを支える技術
RSSリーダーでは、RSS対応サイトが公開しているRSSフィードを登録することでサイトの更新情報や更新内容(記事のなど)の概要を得ることができる。RSS 1.0のRSSフィードでは情報のメタデータ化にRDFを使用し、その情報をXMLベースの言語で記述している。
RSSの仕組みをわかりやすく理解するために書籍を整理する方法を例にして考えてみよう。
書籍を分類する場合、「タイトルと著者」、「出版社」、「発行年月日」、「定価」「ジャンル」などでデータを作成すると目的の書籍を見つけやすくなる。この一連のデータが「メタデータ」と思えばいい。
ただ、メタデータをRSS制作者が勝手に決めてしまうと、せっかく作成したデータに互換性がなくなってしまう。そこで必要になった統一規格が「RDF」と呼ばれるものだ。
XMLはマークアップ言語のひとつで、「Extensible Markup Language(拡張可能なマークアップ言語)」の略称だ。HTMLと同様に、「タグ」と呼ばれる括弧(< >)で区切られた要素を使用してデータ構造で表現するが、内容はHTMLとは内容は異なる。
RSSリーダーへのRSSフィードの登録方法はRSSリーダーやRSS対応サイトごとで異なるが、さほど難しい作業ではない。ちなみにライブドアが提供するRSSリーダー「livedoor Reader」を使ってポータルサイト「livedoor」の情報を得る場合には、下記のサイトの青いアイコンをクリックするだけで、その情報のRSSフィードをlivedoor Readerに登録できる。
・livedoorで提供しているRSS - livedoor
■RSSの課題と今後
現在のRSSは、RSS 0.9x、RSS 1.0、RSS 2.0が混在している状態だ。それぞれのRSSで記述が異なるので、互換性がない。そこでIBMのSam Ruby氏が中心となり、「Atom」と呼ばれる新しい規格が考案されている。
Atomは新しい規格だが、Webログツール「Movable Type」の開発元であるSix Apart社やスタンフォード大学法学部のローレンス・レッシグ教授、XML開発者のTim Bray氏などがすでに支持を表明している。GoogleもGmailのメールの内容をAtomフィードで提供するサービスを開始した。
Atomは互換性がないRSSのバージョン問題を解決するために登場したわけだが、事実上RSSと対立する規格となっていることからRSSの世界をさらに混乱させるのではないかと懸念もされている。
参考:
・RSS | Atom - ウィキペディア
・Web更新情報が手軽にとれるRSS - @IT
・プロが語る「私の情報収集術」 - livedoor
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