サウジアラビア仕様の「クラウンマジェスタ」

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モデル名に恥じない豪華装備

 かつて日本の路上で特別な地位を占めていたトヨタの高級セダンクラウン・マジェスタ」(以下、マジェスタ)。

 このクルマが国内市場から引退して時間が経ちますが、遠く中東の地で新たな形で脚光を浴びていることは、あまり知られていないかもしれません。

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 2023年、サウジアラビア市場で「マジェスタ」の名称が復活を遂げました。この新しいマジェスタは、日本で「クラウンクロスオーバー」として知られる最新のクラウンをベースに、より一層ラグジュアリーな装備を施したモデルとして現地の富裕層から高い評価を得ています。

 パワートレインには、システム最高出力344 HP、最大トルク550 Nmを発生させる2.4L直列4気筒ターボハイブリッドエンジンと、パワフルな四輪駆動(AWD)システムが組み合わされています。

 インテリアは、プレミアム本革シートや前席ベンチレーション、パノラマルーフといった豪華装備に加え、後席用のタッチコントロールやリアエアコン、専用の「リアコンフォート」ドライブモードが設定されるなど、後部座席の快適性が徹底的に追求されているのが特徴です。

 その他にも、21インチホイールや12.3インチのデジタルメーターとタッチスクリーンナビ、JBLの11スピーカーシステム、ヘッドアップディスプレイ(HUD)など、装備に抜かりはありません。

 運転支援システムも、トヨタセーフティセンス(TSS Ver. 3.0)やパノラミックビューモニターなどが搭載されています。

 価格は20万2170サウジアラビア・リヤル、日本円で約864万円(2026年6月中旬の為替レート)に設定され、プレミアムサルーンとして新しいファン層の心を掴んでいます。

 初代マジェスタがデビューしたのは1991年です。「威厳ある」という車名が示す通り、堂々としたボディと上質な内装を持ち、クラウンシリーズの最高峰に位置づけられていました。

 当時トヨタにはフラッグシップモデルとして「セルシオ」が登場した直後でしたが、マジェスタは日本的な高級感と先進技術を融合させることで、セルシオとは異なる親しみやすさと、クラウン「ロイヤル」を超える上級感という、他にはない独自の地位を確立していました。

 その後も世代を重ねるごとに進化を続けましたが、2010年代に入り専用ボディが廃止され、クラウンの一上級グレードとして位置づけられたことで、その独自性が薄れたと指摘されることもありました。そして2018年、ついに国内での生産を終え、その歴史に終止符を打ちました。

 日本での役割を終えたクルマの名前が、国境を越えて新たな価値を与えられ、再び輝きを放つ。この事実は、トヨタの巧みなブランドマネジメントが垣間見える一例です。

 マジェスタはもはや日本専用の高級セダンではありませんが、その名が再び語られていること自体が、このクルマがかつて持っていた特別な価値を証明していると言えるでしょう。

 グローバル化が進む現代において、市場のニーズに応じて姿を変えながら生き続ける名車の存在は、ブランドが持つべき柔軟性の一つの答えを示唆しています。