栃木強盗殺人・竹前海斗容疑者 芸能界入りが画策された「美少年時代」と「ちゃらんぽらんな半生」

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気に入らない相手はタイマンを

5月14日朝、栃木県上三川町の民家に4人組の少年らが侵入。住人の富山英子さん(69)と飼い犬を殺害し、同居する息子2人に重傷を負わせた事件で、神奈川県警と栃木県警の合同捜査本部は竹前海斗(28)と竹前美結(25)の両容疑者を強盗殺人容疑で逮捕した。

実行犯の少年らの指示役とみられる海斗容疑者の半生は、暴力に満ちたものだった。

神奈川県横浜市で生まれ育った海斗容疑者は市内の市営団地で暮らした後、一軒家に引っ越している。いまから約10年前のことだ。近隣住民が当時の様子を明かす。

「初めてのマイホーム購入ということで、海斗くんのお父さんが大変喜んでいたのが印象に残っています。ただ、海斗くんはお母さんの連れ子で、そのお父さんとは小学校低学年の時に出会ったと聞いています。複雑な家庭だったようです」

母親の再婚により、海斗容疑者は3人兄弟の次男となった。周囲からは良好な家族関係に見えていた時期もあり、継父も海斗容疑者のことを常に気にかけていたという。

当時の海斗容疑者は容姿端麗。芸能事務所のオーディションを受けるよう親から勧められたエピソードが近隣住民に知られていた。だが、地域でも有名な美少年は思春期を迎えると荒れ始め、地域で名の知れた不良となった。

海斗容疑者が中学校時代に所属していたサッカー部のチームメイトの父親は、当時の彼の様子を鮮明に記憶していた。

「何十人も部員がいるサッカーの強豪校でしたが、海斗はとにかく目立っていました、ワルとして……。眉毛を細く剃り上げ、髪を明るい茶色に染め、気に入らない相手を見つけるとタイマンをしかけた。バイクを乗り回していたとも聞いています。学校で問題を起こすのは、いつも海斗でした」

海斗容疑者が1年生の時にクラスメイトだった男性は、教室内での生々しい暴力を目撃していた。

「誰かを殴っている場面を何度も見かけました。気に食わないやつがいると、そいつがいる教室へ乗り込んで容赦なく殴りつけるんです。ターゲットになるのはおとなしくて物静かな子。腹を殴ったり、尻を蹴り飛ばしたりしていましたが、顔面を殴ることはなかった。サッカー部の顧問の先生が怖くて有名な方だったからか、服で傷が隠れるところを殴っていました。

サッカーは本当に好きだったみたいで、部活だけは真面目にやっていました。ポジションはFW。ただ、レギュラーにはなれませんでした。一方で授業はサボってばかり。強い相手にはおとなしく従う反面、自分より弱い相手には高圧的な態度をとるタイプでした」

中学卒業後、海斗容疑者は神奈川県内の定時制高校へ進学。しかし、高校生活は一瞬で破綻した。同級生が打ち明ける。

首や腕には派手な和彫り

「入学してわずか2〜3ヵ月で『ちっとも面白くない』と吐き捨てて、海斗は高校を辞めてしまいました。それから、やんちゃな道へと突き進んでしまったようです」

高校中退後、海斗容疑者は定職に就かず、「10代後半からの人生はチャランポランそのものだった」と地元の先輩は切り捨てた。

「16歳の頃から彼を知っていますが、とにかくいい加減な性格。一つの仕事に落ち着いて取り組めないんです。職人として水道関係の仕事をしていたこともありましたが、やはり長続きしなかった。職場をコロコロ変え、ニート状態になり、どうやって生計を立てているのかさっぱりわからなかった」

「成人式でみんなの前に立って乾杯の音頭を取っているのを見て、“まともになったのかな”と思えた時期も一瞬あった」(同前)というが、私生活ではトラブルが絶えなかった。

20代前半で最初の結婚を経験。男児をもうけたものの、’21年に未成年者へのわいせつ事件を引き起こして逮捕。結婚生活は破綻し、それまで働いていた水道関係の仕事も辞めてしまう。

今回の事件を起こす約1ヵ月前、海斗容疑者は乳児と現在の妻である美結容疑者を連れて、深夜0時近くに知人が経営する飲食店を訪れていた。海斗容疑者の姿を見た従業員の女性が言う。

「昔の細マッチョでイケメンだった面影は消え失せ、ビール腹の太った中年男性みたいになっていました。首や腕には派手な和彫りの刺青がビッシリと入っていて、ロレックスとおぼしき高級時計を身につけていた。カネ回りが良さそうな雰囲気でしたね。『最近はどんな仕事をしているの?』と尋ねても、はぐらかして言葉を濁すばかりでした」

実はこの女性従業員、彼が来店する少し間に海斗容疑者の叔父からこんな嘆きを聞かされていたという。

「海斗くんの叔父さんに『海斗くん、元気にしてますか?』と聞いたら、すごく言いづらそうに沈痛な面持ちで叔父さんがこう言ったんです。『もう海斗に関わるのはやめてくれ』と。『俺の手で、あいつを真っ当な道に繋ぎ止めておくことはできなかった』とコボしていました。

どうも、筋の悪い連中と付き合い始めて叔父さんのもとから離れていってしまったようで……。本当に可愛がっていて、一人前に育てようと懸命になっていた叔父さんまでもが匙を投げてしまった」

「楽に大金を手に入れられる」と、ない頭で考えたのだろうか。差し伸べられた救いの手を拒否して闇バイト強盗に手を染めた海斗容疑者は、何もかも失った。