冷蔵庫に「塩漬け」「酢漬け」野菜があればお腹が空いてもすぐにごはんが完成。ひとりごはんを助ける「おかず貯金」

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冷蔵庫にあると嬉しい「野菜の漬けもの」

冷蔵庫の中に、ざく切りして塩もみした野菜や、酢に漬けた野菜がある。たったそれだけで、「何か食べようか」という気になれる。

2月20日に発売された『わたし思いの自炊ごはん ひとりの料理を楽しむヒント』(こてらみや著/家の光協会)は、自分ひとりのための食事づくりを、「頑張りすぎない」具体的かつ現実的なやり方で教えてくれる本だ。

第1話「お腹が空いていないときは『野菜の塩漬け』とお酒で始める。料理を億劫にしないための『冷蔵庫に仕込むもの』」では、「塩でもむだけ」「酢に漬けるだけ」という、ごくシンプルな野菜の保存法を紹介した。

買ってきた野菜をそのまま仕舞えば、使い切れずにフードロスにしかねないが、冷蔵庫に仕舞いやすくするくらいの気持ちで、ざくざく切って、塩もみ、酢づけにしてポリ袋に入れれば、「野菜の漬けもの」になる。

それは、料理のハードルを下げ、未来の自分を助けるための、「おかず貯金」になる。

仕事で遅くなった日。体力も気力も残っていない夜。

冷蔵庫から取り出した野菜を洗い、まな板を出して、切って、調味はどうするか……この一連の流れを考えるだけで、億劫になる。それは料理家とはいえ、こてらさんも同じだった。

けれど、刻んで下味がつき、うまみを含んだ「野菜の漬けもの」があれば話は別。

そのまま盛ればお漬けものに。ちくわや青じそと合わせると和え物になり、肉や卵と炒めるとご飯に合うおかずになる。

洗って、切って、調味料を……から考えなくていい。それだけで、料理は驚くほど軽くなる。

残り野菜をプレッシャーに感じる前にできること

それは、冷蔵庫を開けた時にも言えること。野菜室に使いきれない野菜があると、扉をあけるたびになんとなく「早く使わなきゃ」というプレッシャーを感じるものだが、塩漬け、酢漬けになっていれば、放置しても罪悪感が生まれない。時間をおいてもおいしく食べられるので、気が楽なのだ。

本書が教えてくれるのは、自分に作る料理に必要なのは、「頑張る」ことではなく、「準備」であること。

かさばる野菜は冷蔵庫に仕舞う前に、ざくざく切って調味し、ポリ袋に入れる。

台所に立った時は、ついでに野菜を煮たり、蒸したりして、保存容器に入れて冷蔵庫へ。

肉や魚は塊で買って、初日に食べる分だけ切り出したら、残りは最小限のひと手間で、いつでも食べられる状態にする。

やる時にまとめて準備しておくことで、日々の食事のしたくは、ぐんと手軽になるのだ。

第1話で紹介した「キャベツの塩漬け」「玉ねぎの酢漬け」「小松菜の塩漬け」の中から、小松菜の塩漬けを使った炒めものを紹介する。

材料を変えればアレンジもいろいろ

小松菜ときくらげの卵炒め

材料(1人分)

小松菜の塩漬け 100g

生きくらげ 50g

卵 2個

ちりめんじゃこ 大さじ2

◎塩 油

作り方

1 小松菜の塩漬けは汁気を軽く絞る。生きくらげは一口大に切る。

2 卵に塩2つまみを加えて溶きほぐす。

3 フライパンに油大さじ1と1/2を入れて強火で熱し、2を流し入れる。ヘラで手早く大きく混ぜて半熟状になったら取り出す。

4 3のフライパンに油小さじ1を足して中火で熱し、ちりめんじゃこをさっと炒める。1を加えてほぐしながら炒め、油がまわったら3を戻し入れて手早く炒め合わせる。

*しょうゆ少々をかけてもおいしい。

「小松菜の塩漬けは私も大好きで、きくらげがない時はしいたけで、じゃこがなければ豚肉で代用して、しょっちゅう作っています。ほんとに使い勝手がいいんです」とこてらさん。

たしかに小松菜はカルシウム、鉄、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンKなどを豊富に含み、栄養的にも◎。しかも1年中手に入り、なんでも値上がりしている昨今もお値段据え置きで、価格面でも優秀野菜だ。

唯一の弱点、「すぐにしなびてしまう」点が塩漬けにすることで解消されるなら、試してみない手はない。

本書では炒め物のほかに、小松菜の塩漬けをご飯に混ぜた「菜めし」も紹介する。温かいご飯に汁気をしぼって刻んだ小松菜の塩漬けとごまを混ぜ、塩で味をととのえる。上から削り節をのせれば、箸の進む混ぜご飯のできあがり。こちらもぜひお試しいただきたい。

◇まとめて準備しておけば、日々の料理がらくになる――そんなことは、言われなくてもわかっている。でも、その「準備」が億劫なのだ。

台所に立つ人間なら、誰しも感じているそれは、料理家であるこてらさんも一緒だった。

夫の「あれ食べたい! これも食べたい!」の声に押されるようにして、毎日料理をしていた。その声が聞こえなくなったとき、「自分が何を食べたいかわからない」「ごはん作りが億劫になってしまった」。

そんなこてらさんの料理欲を引き出したのは、料理や旅の動画であり、大事にしている調理器具や器であり、好みのお酒と野菜の漬けものだったという。

料理家といえども、料理が面倒に感じることがあっても不思議はない。そんな時にどうやって自分を奮い立たせるかを知っているのが、料理家なのだろう。

次回は、塩もみより、ほんの少しだけ手間を加えた「シンプル常備菜」を紹介する。

【第1話】お腹が空いていないときは「野菜の塩漬け」とお酒で始める。料理を億劫にしないための「冷蔵庫に仕込むもの」