20日と21日にチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメントの第1戦を控えるリールとリヨンが16日、リーグ・アン第25節で対決した。前節のトゥールーズ戦に敗れた3位のリールは、いやなムードを払拭して首位リヨンに勝って差を縮めたい、一方のリヨンは、ようやく今年の初勝利をあげた前節からの連勝で一気に波に乗りたいところ。

 試合は、両チーム無得点で迎えた後半52分、オデルのゴールでリールが先制。オデルはもともとMFだが、不調のストライカー、オデンウィンギエ(ナイジェリア代表)に代わってFWの位置で出場、今シーズン初スタメンで初ゴールを決めた。

 リヨンは、警告累積で出場停止のジュニーニョ、負傷のティアゴを欠き、スムーズな展開ができない。ワントップのフレジは相手ディフェンスの執拗なマークに苦しんだ。しかし1点を追う後半37分、そのフレジがフリーキックからのパスを豪快にゴールに蹴り込んだ。続く44分には同じくフリーキックからのこぼれ球をDFスキラッチが合わせ、今季のリヨンの「お家芸」(残り15分であげた得点は全体の34%)ともいえる試合終了間際の鮮やかな逆転劇。21日の対ASローマ戦(CL)を前に勢いをつける貴重な勝利をもぎとった。

 一方、残り10分で勝ち点3を逃したリールにとっては、悔しい敗北。ピュエル監督は試合後、レキップ紙に「いまの我々にとってサッカーは厳しい」と優位にゲームを進めながら結果につながらない不運を嘆いた。リールにとっては、昨シーズン14ゴールでチーム得点王となったオデンウィンギエの不調が痛い。オデンウィンギエは今季、開幕から5試合で5ゴールをあげて絶好のスタートを切ったが、9月9日以来、リーグ戦での無得点が続く。それに合わせるように、中盤のケイタ(コートジボワール代表)、ボドメールの動きも冴えない。20日の対マンチェスター・ユナイテッド戦(CL)はこのトリオの復活がカギとなる。