03−04季終了とともに現役生活に終止符を打ったロベルト・バッジョが18日、40歳の誕生日を迎える。地元ビチェンツァ(当時セリエC1)でプロデビューを飾ったバッジョは類稀な才能を発揮、3年後には鳴り物入りでセリエAフィオレンティーナ移籍を果たした。その後ユベントス、ACミラン、ボローニャ、インテル、ブレーシャと渡り歩き、セリエA出場452試合で205得点を記録(歴代5位)。93年には“バロンドール賞”に選出されるなどイタリアが誇る世界のファンタジスタとしてカルチョ界に君臨した。

バッジョのエピソードは数多くあるが、なかでも本人が「消し去りたい過去」と公言する“94年W杯USA大会決勝戦イタリア対ブラジルでのPK失敗”はあまりにも有名だ。17日発売の“SPORT WEEK”誌のバッジョ特集のなかで当時のブラジル代表GKタファレルは「彼の人生を少し台無しにしてしまったかな・・・」と語り始めた。タファレルは続けて「世界中の誰もが決めると思っていただろうが、自分には『セーブするかあるいは外すのではないか』との直感が走った。このエピソードは彼が(倍の)80歳になっても語り継がれることだろう。バッジョには誕生日おめでとうと言いたいし、カルチョ界への復帰を期待しているよ」と祝福メッセージを送っている。

背番号「10」が最も似合ったイタリアの至宝バッジョ。現役引退後もバッジョ獲得を夢見る関係者は多いが「今後のことは慎重に考えなければならない。ミスは高く付くことになる」との姿勢を貫いている。40歳を迎えたカリスマ、その存在感は衰えるどころか増すばかりだ。

佐藤 貴洋