プレミアリーグで首位マンチェスター・ユナイテッドを勝点6差で追うチェルシーの新監督候補に、フース・ヒディンクの名前が浮上している。ジョゼ・モウリーニョ監督と首脳陣の不仲説に加え、チェルシーのロシア人オーナー、ロマン・アブラモビッチが、ヒディンクのロシア代表監督就任において、資金的なバックアップをしている背景もあり、このオランダ人監督は有力な次期監督候補の一人として注目されている。

 しかし、チェルシー監督就任について聞かれたヒディンクは、次のように否定している。

「来シーズンからチェルシーの監督を務めるなどといった話はない。ロマン・アブラモビッチとも、そんな話はしていないよ。私はロシア代表の監督だ。そして、2008年の夏まである契約を全うする。今の仕事に満足しているし、多忙を極めてもいる。1年で今の仕事を放り出して、チェルシーの監督に就任したら、ロシア代表が大変なことになる」

 プレミア王者チェルシーの監督就任を全面的に否定したヒディンク。しかし、このオランダ人監督がロシア代表で指揮を執るのは、モウリーニョの後任候補擁立に向けてアブラモビッチが打った布石とも言われている。過去2シーズン、圧倒的な強さでチェルシーにタイトルをもたらしたモウリーニョだが、今シーズンの結果次第では、世界屈指の戦術家に、その座を奪われる可能性もある。