大沢たかお、『キングダム』自身最後の舞台挨拶 王騎は「自分が一番理解している自信がある」
俳優の大沢たかおが14日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『キングダム 大将軍の帰還』大ヒット御礼舞台あいさつに、主演の山崎賢人(※崎は「たつさき」)と共に出席。大沢にとって最後となる『キングダム』の舞台あいさつに熱い思いを語った(※ネタバレあり。『キングダム 大将軍の帰還』の詳細に触れています)。
本作は、紀元前・中国春秋戦国時代を舞台にした原泰久のコミックを原作に、天下の大将軍になる夢を抱く戦災孤児の少年・信(山崎)と、中華統一を目指す秦国の若き王・エイ政(吉沢亮※エイは、上に亡、中に口、下左から月、女、迅のつくり)を描くアクション映画第4弾。前作『キングダム 運命の炎』(2023)に続き、隣国・趙との「馬陽(ばよう)の戦い」が展開する。
7月12日の初日から11月14日までの観客動員が543万人、興行収入が79.85億円という、令和の邦画実写映画ではナンバー1を記録。大沢は「いまの時代、この数字は1人が1回観ただけで出るものではなく、何度も観てくださっている人がたくさんいたんだと思います。改めてすごく感謝していますし、その言葉以外ないです」と六本木の会場および、全国333館でこの舞台挨拶を観ているファンに気持ちを伝える。
大将軍・王騎に憧れ、背中を追う信役の山崎とは、第1弾から6〜7年の時間を共に過ごした。大沢は「挙げたらきりがないぐらい学ぶことが多かった」と山崎との共演を振り返ると「本当にひたむきに『キングダム』という作品や役と向き合い続けている姿を、真横でずっと見させてもらっていました。悩みもあったと思うけれど、それを払しょくしながら日々練習して、どんどん信になろうとしている姿に刺激を受けました。もし続編があるなら、自分ももっと身体を作って、彼の目標とする王騎にならなければと思わせてくれたんです」と感謝を述べる。さらに大沢は「俳優仲間というよりは家族のような存在で、芝居でも心が通いあっていて、言わなくても呼吸が合うようになっていきました」と称賛が続いた。
王騎将軍という役について「監督よりもプロデューサーさんよりも、自分が一番理解しているという自信があります。原作者である原泰久先生にも自信を持って『僕の方が先生よりも王騎に対して詳しい』と言えるぐらい愛した存在でした」と語った大沢。
〜以下、ネタバレを含みます〜
そんな大沢に、原作者である原から「映画『キングダム』シリーズは、4作を通して大将軍・王騎の死までを描くプロジェクトでもありました。僕自身思い入れの強かった王騎をここまで見事に演じていただけて、原作者としてこれ以上に嬉しいことはありません。実写版王騎は、間違いなく邦画史上に残る人物になったと思います」とメッセージが寄せられると、大沢は「原先生が生み出した『キングダム』を実写化させていただいたこと、自分を信じて登用してくれたことにも感謝しています」としみじみ語っていた。
最後に、大沢は「自分の伝えられることは、言葉だけではなく、芝居でも現場のやり方でも、もう伝えることはないというぐらい全部伝えたつもりです」と山崎にメッセージを送ると「彼の(『キングダム 大将軍の帰還』の)初日の舞台あいさつの姿を見て、自分が引く時が来たんだなというのを感じたんです。それは嬉しさもあり、寂しさもあったのですが、そこで僕はもう『キングダム』の舞台あいさつに立つことはないと決めていて、スタッフにも『もう自分は出ないので』と伝えていたんです」と裏話を披露する。
それでもこの日、大沢は舞台あいさつに立った。「おかげさまで想像を超える数字を出し、たくさんの方から応援のコメントもいただきました。このままフェードアウトするのもいいけれど、ちゃんと感謝を伝えられたらいいなと思って、この場を設けていただいたんです」と登壇した理由を説明する。
そして満員の会場を見渡した大沢は「とてもいい時間でした。(『キングダムの』)これから先のことは僕にはわからないけれど、(山崎は)本当のリーダーだし、主役だしみんながついていく存在。最初からそうだったけれど、どんどん立派な男、そして俳優さんになっていきました。一緒に切磋琢磨してきた誇りに思える彼が、これから頑張ってくれる姿を劇場で見させてもらうし、さらに世界に向けて羽ばたいていってほしい」とエールを送っていた。(磯部正和)