スポニチ

写真拡大

 「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」に出場する侍ジャパンは、13日にオーストラリアとの1次ラウンドB組初戦に臨む。井端弘和監督(49)は、リーグ3位から下克上での日本一を達成した桑原将志外野手(31)、牧秀悟内野手(26)、佐野恵太外野手(29)の「DeNAトリオ」を打線の上位、中位、下位で起用する見込み。「侍マシンガン打線」で大会連覇を狙う。

 98年以来、26年ぶりに日本一に輝き「令和のマシンガン打線」と話題になったDeNA勢。バンテリンドームでの公式練習で井端監督はケージの横、後方と移動しながらフリー打撃を見つめた。時に眼光鋭く、8日に合流した3人の状態を見極めた。

 「選手もうまく上げてきている。さすがだなと思う。本番に向けていい調整ができた」

 いよいよ迎える大会連覇に向けた初陣。井端監督は桑原、牧、佐野のDeNAトリオを打線の上位、中位、下位に配置する見込みだ。1番の可能性が高い桑原は「出塁することが大事。後ろにつないでいきたい」と意欲。日本シリーズでも1番で6試合で打率・444、9打点をマークしてMVPに輝いた。「ハマのガッツマン」が侍もけん引する。

 4番の最有力だった巨人・岡本和は腰痛で辞退し、代表メンバー発表前にはヤクルト・村上が右足親指の骨折で出場できなくなった。絶対的な主砲を欠く中、9日と10日のチェコ戦を視察した韓国代表の李晋映(イ・ジンヨン)コーチも「長打力は少し足りない」と分析した打線で、4番は10日に2ランを放った森下の可能性が高く、牧は6番でポイントゲッターを担い、佐野は7番に入る見込み。牧は「どの打順でも点を取れるように。チャンスだったら還せるように」と誓う。前夜は全選手の決起集会を開催。WBCにも出場した牧が乾杯の音頭を担当して「気持ちを一つに」と声を上げた。

 相手先発はメジャーのツインズでプレー経験がある左腕ソープで、21年には当時エンゼルスに所属していた大谷(現ドジャース)を2打数無安打に抑えている。今年はメキシカンリーグで中継ぎを務め、井端監督は「ある程度(投手が)代わるというのは想定している。良くても代えるのかなと」と小刻みな継投を予想している。

 自由で明るい雰囲気が伝統で、乗ったら止まらないのが特徴であるDeNAの「マシンガン打線」。桑原、牧、佐野が打てばチームに勢いと、つなぐ意識が生まれる。「最終目標は優勝」と井端監督。日本一チームで最少の貯金2のリーグ3位から「史上最大の成り上がり」を決めたDeNA戦士たちが、世界一への鍵を握る。(神田 佑)

 ≪プレミア12大会規定≫

 ☆勝ち上がり方法 1次ラウンドは12チームが2組に分かれて総当たりのリーグ戦を行い、上位2チームがスーパーラウンドに進出。1次ラウンドを勝ち抜いた4チームで総当たり戦を行い、1・2位が決勝、3・4位が3位決定戦に進出。1次ラウンドの対戦結果は持ち越さない。

 ☆同率チームの順位決定 (1)直接対決の勝敗(2)同率チーム同士の対戦のTQB(得失点率)など4つの条件で決定。

 ☆投手の球数制限 なし。

 ☆使用球 SSK社製のWBSC公認球。

 ☆リプレー検証 各試合1回。判定が覆った場合は回数は消費されない。延長戦時はさらに1回。

 ☆ピッチクロック 無走者時のみ20秒。走者ありの場合はなし。

 ☆コールドゲーム 1次ラウンドのみ適用。5回以降に15点差、7回以降に10点差がついた時点で試合終了。

 ☆タイブレーク 同点の場合の延長10回から、無死一、二塁でスタート。打順は前イニングから継続。