佐々木朗希の“意中の球団”は――ロッテ助っ人左腕カイケルがNY紙で注目発言「ドジャースと契約が成立したという噂を聞いた」

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今夏までメジャーリーガーだったカイケル(右)。そんな技巧派左腕が世間の注目を集める佐々木(左)の去就について語った。(C)Getty Images

「(ドジャースが)彼のための計画を立てている」

 佐々木朗希の名は、瞬く間に米球界で“トレンド化”。11月9日に千葉ロッテがポスティングによるメジャー挑戦を認めたことで、MLBにおける今オフのFA市場で最も注目される投手の一人となった。

 そうした中でロッテの同僚だった助っ人投手の注目発言が話題を呼んでいる。ニューヨークに拠点を置く日刊紙『New York Post』の電話取材に応じたダラス・カイケルのそれだ。

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 現在23歳の佐々木は、MLBの労使協定で決まった25歳以下の国際選手獲得の際のルールにより、契約金や年俸も含めて保証は年間500万ドル(約7億2500万円)に制限される。そのため、争奪戦の焦点は、どの球団といつ決まるかに絞られている。

 今年7月からロッテで佐々木と苦楽を共にしたカイケルはメジャーでも通算103勝を誇る名投手。そんな米球界の酸いも甘いも知る左腕助っ人は、全米に衝撃を与える“令和の怪物”を「総合的に見て、彼は信じられないほど素晴らしいよ。できないことは何もない」と絶賛。その上で、交渉に関して気になる情報を口にした。

「(日本で)ヤンキースの帽子も何個か目にしたが、行くところすべてでシャツや帽子にドジャースの“D”が入っていたんだよ。僕は彼とドジャースがすでに契約が成立したという噂を聞いたことがある。(ドジャースが)彼のための計画を立てていると。もし、僕が(カジノのある)ラスベガスにいれば、間違いなくドジャースを最有力に入れる(賭ける)だろう」

 続けざまに「だけど、本当のところはわからない。僕らはメジャー移籍についてあまり話したことがなかった」とも話したカイケル。実際、事前に本人と接触していた場合にはタンパリングとなるため、「すでに契約が成立した」というのはあり得ない話ではある。

 しかし、2015年にサイ・ヤング賞を手にした名投手がそう強調したくなるほど、現時点で佐々木のドジャース入りが有力なのは明らかな情勢ではある。

 というのもドジャースは25歳以下の国際選手を獲得する場合に必要となる「ボーナスプール」を、30球団最高の250万ドル(約3億8550万円)も保持。仮に佐々木が即座にポスティングを公示すれば、ワールドチャンピオンとなったスター軍団入りは「ほぼ確実」と言える状況なのだ。

 ただ、ボーナスプールは、国際契約期限の12月15日(現地時間)にリセットされる。その場合には各球団一律で700万ドル(約10億5000万円)となるため、ドジャース以外の球団にも交渉の余地は大いに出てくる。

ニューヨークの2球団での可能性は?

 いずれにしろ、佐々木がポスティングで移籍する以上、“現時点”でドジャースが大本命と言うのは紛れもない事実。カイケルもそうした状況をふまえて「間違いなくドジャースを最有力に入れる(賭ける)」と発言したのだろう。

 さらにカイケルの注目発言は続く。シーズン中から熱心に佐々木をスカウティングしていたニューヨークの2球団(ヤンキースとメッツ)での可能性も問われ、当人の興味具合を明かした。

「僕らは東海岸の2チームについても話したことがある。ドジャースが優位に立っている理由は、ショウヘイ(大谷翔平)やヤマモト(山本由伸)、そして2017年のプレーオフでダルビッシュが投げたことのあるチームだからだと思う。日本のどこへ行ってもドジャースの試合は、毎朝テレビ中継されているが、それは彼らの存在があるからだ。ササキとはピンストライプ(ヤンキース)やメッツについても簡単な話をしたけど、その話の中でも中心になる球団ではまったくなかった」

 36歳の助っ人左腕の言葉を鵜呑みにすれば、球界屈指の資本力も有している東海岸の2球団は「意中の存在」ではないと言えよう。令和の怪物の目にも、“銀河系軍団”とも言われるドジャースは華々しく映っているのかもしれない。

 果たして、佐々木は最終的にいかなる決断を下すのか。正式公示から45日間に渡って繰り広げられる交渉の行方から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]