球団事務所を訪れ、国内FA権行使を申請したソフトバンク・石川柊太

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 ソフトバンクの石川柊太投手が8日、みずほペイペイ内の球団事務所を訪れ、国内フリーエージェント(FA)権の申請書類を提出した。

 グレーのテイラードジャケットにデニム姿で現れた背番号29。「FA権を行使する書類を提出しました」と話すと、さらにその理由について「自分が野球界でどう評価されているのか。こういう機会がないので聞いてみたいな、というのが一番。(加えて)こういう権利があるので選択肢が広がるところに価値があるので、行使させていただく気持ちになった」と説明した。

 行使を決断したのは日本シリーズ終了後だという。「頑張れば大卒で3年目で支配下(契約の遅咲き)でもFAを行使できる。取ってみて長かった。でも取れた現実を見せられたのは誇りに思うところ」と胸を張った。その上で「自分の(選手としての)ランクでは超大型契約は現実的にないと自覚している」と話した。

 契約の決め手は、誠意ある言葉がカギになると予想した。「過去のFA権を使って他球団に言った人の言葉を聞くと『あのひと言が刺さった』というのがある。年齢や東京出身やいろんな要素があるが、始まってみないと分からない」。残留と移籍についてはフラットな心境なのかと問われて「一番は『来てほしい』というのが伝わってくるのを大事にしたい」と50―50であることを明かした。

 球団幹部からは「ウチとしては(宣言残留は)ウェルカム」と歓迎を受けた。既に今季の1億2000万円(推定)から大幅増の複数年契約を提示されている。「(ソフトバンクの)誠意は伝わっている。そこが不満だったから宣言するわけではないというのを伝えたい」と強調した。

 年俸は、人的、金銭ともに補償不要のCランク(年俸順位日本人11位以下)とみられる。ソフトバンクと他球団の争奪戦に発展することは必至だ。