出産後に気づいた「この街に住んで失敗した!」 子育てしにくい街をどう避ける…経験者が語る“目からウロコ”のチェック方法
子どもの出産や入園・入学をきっかけにマイホームを検討するご家族が増えていますが、その際に「子育てしやすい環境」について関心を持つ方も多いでしょう。よく見かける人気ランキングなどで、子育てに適したエリアが紹介されていますね。
しかし、「昔は子育てしやすい環境だったのに、最近は小学校が全学年1クラスで幼稚園も次々に閉園している」といったように、住宅地の環境が変化していることに気づかず、過去のイメージで家探しをして失敗したという体験談もあります。「子育てに向かない街」を避けるためのポイントはあるのでしょうか。実際の経験談をもとにご紹介します。
大きなドラックストアなのに……
夫婦二人で暮らしていた当初は、自分が住んでいる街に対して特に問題意識もなく過ごしていたAさん(関東在住、40代、主婦)。そこが「子育てに向いていない街」かもしれないと初めて意識したのは、出産後にドラッグストアのおむつコーナーでふと感じた違和感でした。
里帰り出産した実家周辺のドラッグストアと比べて、赤ちゃん用のおむつやベビーフードの品ぞろえが少なすぎると感じたそうです。「高齢者用の紙おむつはすごくたくさんあるのに…どうして?」。小さなお店でもなく、面積的に取りそろえられない訳でもなさそうです。
実家で購入していたお気に入りのメーカーのおむつもなく、安売りもほとんどないので、ネット通販に頼ることにしたといいます。
禁止事項が多すぎる公園だらけ
次に気になったのは、公園の「使用制限」でした。
子どもがよちよち歩きを始め、散歩コースに公園を使うようになると、どの公園にもたくさんの注意書きがあることに気がついたそうです。
・花火禁止
・ボール遊び禁止
・自転車・キックボード・ローラースケートの乗り入れ禁止
・シャボン玉禁止
・大声を出してはいけません
「これでは子どもを安心して遊ばせられない」と将来に不安に感じたAさん。一度気になり始めると、これまで意識しなかったことにも気がつきます。
周囲の大型マンションや、近所の団地の駐輪場を見ても、子ども用の自転車や三輪車がほとんど見当たらないこと、小学生が放課後に遊んでいる姿も見かけないことに気づき、公園の禁止事項の多さや苦情が関係しているのではないかと感じたそうです。
夜間小児救急の対応場所まで遠すぎる
さらに、夜間の小児救急へのアクセスも課題でした。
乳幼児が夜中に高熱を出したり、急に体調を悪化させたりするのはよくあること。初めてAさんの子どもが熱を出したのも、土曜日の夜でした。39度台の熱に不安を感じたAさん夫婦は、夜間診療を受けられる病院を探しましたが、なんと車で30分以上かかる中央病院しか見つかりませんでした。
車を持たないAさんはタクシーを呼びましたが、なかなか配車されず、長く不安な時間を過ごすことになりました。
スマホから調べられる「街の特徴」とは
「住む場所探しに失敗したかも。もっと同世代の子どもがいる街が良いのでは…」と感じ、引っ越しも視野に入れ始めたAさん夫婦。子育てしやすい街・しにくい街はどうやって見分けたらよいか悩んでいたところ、子育て経験者の友人Bさん(関東在住、40代、事務)から、目からウロコのアドバイスをもらったそうです。
そのアドバイスとは「Googleマップで、公文や習字教室、ピアノやバレエ教室など、個人宅で開かれる教室を検索すること」でした。子どもの教育に投資する家庭が一定数いる地域でないと、こういった教室は維持されにくいため、それらが少ない地域では、子どもや子育て世代の存在も目立たないかもしれません。
この話を聞いて「確かに…」と感じたAさん。物件情報をチェックするたびGoogleマップで調べてみると、エリアごとに全く状況が異なることに気づいたそうです。
実際に街歩きをしなくても、遠方からでも簡単に調べられるこの方法…子育て世代の住まい探しに役立つチェックポイントではないでしょうか。
(まいどなニュース特約・中瀬 えみ)