みずほPayPayドームでの引退会見に臨んだソフトバンク・和田毅【写真:竹村岳】

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和田毅が引退会見「決断は球団の上の方も知らなかった」

 今季限りで現役を引退するソフトバンクの和田毅投手が5日、本拠地みずほPayPayドームで会見を行った。2019年から引退を意識し、今年7月には決断していたという。しかし、情報を「絶対に漏らしたくない」と小久保裕紀監督、王貞治球団会長にも伝えていなかったいう。

 会見に臨んだ和田は、引退の理由に「今年は膝の痛みが本当にきつくて戻れないなと正直覚悟していたんですけど。もしかしたら投げられるかもしれないと思った時に、完全に今年辞めようと。球団のトップの方に伝えて。それとなく伝えてはいた」と明かした。トップといってもごく一部だったようで「球団の上の方も知らなかったので、当然選手、監督、コーチも知らなかった」と明かした。

 お世話になった人はたくさんいたはずだが、極秘裏に進めた理由について「いろいろ考え方はあると思いますけど。自分の中で優勝して引退試合とか、引退の報告をしてファンや選手もそうですけど、空気的に和田さんのために日本一になろうとか、そういう空気には絶対にしたくなかった」と告白した。

 今季は8試合の登板で2勝2敗、3ホールド。防御率3.76に終わっていた。「ほとんど貢献できていなかったですし。そのなかに私情を挟んではいけないと思ったし、自分のためにという空気には絶対にしたら駄目だと感じていたので。球団の方からも引退試合の話はいただいていたんですけど、そこは固辞させていただきました」と明かした。

 さらに“恩師”でもある王貞治球団会長に対しても伝えたのは会見前日の4日の朝だったという。「本当に内密に進めてきたことですし、絶対に漏らしたくないという気持ちでやっていました」と語った。チームを思うがゆえの“極秘決意”だった。(Full-Count編集部)