藤井王将 JT杯準決勝で敗退 3連覇の壁に7人連続阻まれる 広瀬九段が渡辺九段との決勝へ進出
将棋の藤井聡太王将(22)=7冠=が2日、地元・愛知県常滑市の中部国際空港で広瀬章人九段(37)との第45回JT杯準決勝に臨み、137手で敗れた。1993〜95年度の郷田真隆九段(54)以来、史上2人目の3連覇がかかる決勝進出を逃した。その間、羽生善治九段(54)ら計6人が挑んだ壁に7冠までもが阻まれた。
「こっちの攻めが細い。全体として厳しい感じで指した」。相掛かりから飛車と金桂の2枚替えへ進めたが、終局後はその直前、58手目に9筋の歩を突いた緩手を悔いた。
郷田による3連覇の後、96、97年度は谷川浩司十七世名人(62)、07、08年度は森下卓九段(58)、2010、11年度は羽生、12、13年度は久保利明九段(49)、18、19年度は渡辺明九段(40)、20、21年度は豊島将之九段(34)が連覇した。ところが、いずれも翌年度は3連覇を逃していた。
持ち時間10分で切れたら1手30秒未満。他に各5分の考慮時間という早指し戦。実力伯仲の上位12人で争う頂点は、「指運(ゆびうん)」と呼ばれる棋力以外の要素も大きいのだろうか。
藤井は22、23年度の連覇の前年、21年度も準優勝。トップ棋士12人で頂点を競うJT杯における連勝は6で止まると共に、4年連続の決勝進出も目前でかなわなかった。