清水の3シーズンぶりJ1昇格が決定【写真:徳原隆元】

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清水はアウェーで栃木と対戦

 清水エスパルスが3シーズンぶりのJ1復帰を決めた。

 10月27日のJ2リーグ第36節で敵地での栃木SC戦に1-0で勝利し、2試合を残して自動昇格の2位以内が確定。一方、敗れた栃木SCは無念のJ3降格となった。

 試合前時点で清水は勝利もしくは引き分け以上でJ1昇格、栃木は引き分け以下でJ3降格の可能性がある状態で迎えた。両チームとも他会場の試合経過も気になる中、1万6476人の観衆を集めたゲームは栃木のホームながらスタジアムの半分近くを清水サポーターが埋める決戦ムードに包まれ、14時に運命のキックオフを迎えた。

 序盤は栃木のプレッシングが清水を苦しめる形になり、前半3分に栃木はコーナーキックのこぼれ球をMF石田凌太郎が鮮やかな右足ボレーでゴールに突き刺した。先制ゴールかと思われたが、シュートの瞬間に栃木のFW矢野貴章がGKの前でオフサイドポジションにいたことからゴールは取り消しに。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のない環境だったが、審判団の好ジャッジだった。

 その後も栃木のプレスに清水が手を焼く時間が続いたが、栃木も決定機を作り出すには至らず。逆に栃木の足が止まり出すと清水が攻撃回数を増やし、FWカルリーニョス・ジュニオのヘディングシュートが際どく枠を外れる場面も迎えながら前半を0-0で終えた。この時点で3位のV・ファーレン長崎が勝利で試合を終えたことにより、清水は今節での昇格決定には勝利が必要になった。

 そして後半5分、清水は右からのコーナーキックがゴール前にこぼれたところをDF住吉ジェラニレショーンが押し込んで先制。J1昇格へ向け大きな1点を手に入れた。ビハインドを背負った栃木の小林伸二監督は後半21分までに5人の選手交代枠を使い切る積極的な采配で反撃を目論んだ。

 何とか希望をつなぐ1点が欲しい栃木だが、落ち着きを取り戻した清水を相手になかなかゴール前まで前進させてもらえずに時間が流れた。そのなかで清水は後半38分、途中出場のFW北川航也がファウルを受けた後に相手選手を蹴ってしまい退場処分に。清水にとっては最後の最後に試練の時間が訪れた。

 栃木は浅い位置からのセットプレーでもゴール前にロングボールを入れることで活路を見出そうとしたが、10人の清水は粘り強く守り切って1-0の勝利を収めた。これにより自動昇格の2位以内を決めて3シーズンぶりJ1復帰を決定した。一方の栃木は、同時刻キックオフの大分トリニータがブラウブリッツ秋田に勝利したことで18位以下が決まり、無念のJ3降格となった。(FOOTBALL ZONE編集部)