スポニチ

写真拡大

 第49回社会人野球日本選手権大会に出場するミキハウス・島沢良拓外野手(25)は、勝負強さと長打力で打線の中核を担う。

 「勝負強さが自分の持ち味。ただ、後ろに(田中)秀政さん、松尾もいるので、チャンスメークに徹するときもある。来た球をしっかり打って、結果を出したい」

 左打席から広角に長打を打てるのが、最大の持ち味だ。日本選手権近畿地区最終予選でも、出場した全4試合で安打をマーク。打率・385、1打点で3番打者としての役割を果たした。中でも、印象的だったのが、日本製鉄瀬戸内との代表決定戦。1点を勝ち越された直後の8回無死一塁で打席が回ると、3球目を投じる前にボークがあり無死二塁に局面が変わった。

 陣田匡人監督からの指示は「バントじゃなくていいから、ランナーを進めてくれ」。自ら送りバントを選択することも頭をよぎったが、島沢はふと思い直した。

 「バントを決められる自信もありましたが、バントだと逃げているような気がして…」

 勝負をかけたのは、カウント2―2からの5球目だった。内角球を引っ張ると右前打となり、一、三塁と好機を拡大。勢いづいた打線は田中秀政の同点打、松尾龍乃の勝ち越し打など一挙7点を奪い、21年ぶりの日本選手権出場を決めた。

 今夏の都市対抗・東京ガス戦では、好投手・臼井浩から2本の二塁打を放った。大会直前に腰を痛め、練習再開は試合の2日前からだったが、「自分のスタイルを変えずに強いスイングができたのは、収穫だったと思います」とうなずいた。

 31日の初戦では、再び関東の強豪・ENEOSとの対戦が待つ。島沢は言う。

 「良い投手が来るのは分かっている。こちらも研究をしっかりして、試合に臨みたい」

 21年前の前回は4強に進出。旋風を再現するべく、島沢が強打を連発する。