しかし、女性で坊主となると服装にも制限が生まれそうに思えるが、以前と変わらず自由なファッションを楽しんでいるという。

「似合う服装が限定されそうとよく言われます。でも意外にそんなことはなくて、カジュアル中心ではありますが色んなジャンルの服装ができますよ。ミニスカートも履きます!」

◆トイレで「男性と勘違いされることが多い」

では逆に、坊主にしたことによるデメリットについて。徐々に増えてきたと言われる坊主女子に憧れる女性にとっても、この点が気になるところ。

「髪の毛がなくてすぐに頭皮なので、紫外線や外的刺激が怖いですね。外出時は、帽子を年中かぶっていますし、冬の寒い時には絶対にニット帽が外せません。冬で言えば、乾燥すると頭皮のダメージでフケみたいな皮が取れてしまうので保湿は大事です」

また、坊主になる前は気にしなかった日常の行動でも、周囲に気を使う場面があるという。

「公衆トイレに入るとき、男性と勘違いされることが多いので行きづらいですね。おばあちゃんにギョッと二度見されることもあります。女性だとわかるように、胸を強調したりして、女性だとわかるように気を使いながら入ったりします(笑)」

◆坊主にしたらDMが大量にくるように…

さらに、気になるのは「モテ」に変化があったという点。SNS上では顕著な変わりようが見られたそう。

「インスタでは異常なくらいのDMが来るようになりましたね。特に外国の男性からが多くて、『素敵だよ』みたいな内容のDMが大量にきます」

一方、リアルな実生活ではどうだろう。以前から引きこもりで、モテるとは無縁に生きてきたという彼女だが。

「声をかけられる機会は増えましたが、ナンパされているわけではないので、モテているとは言えないと思いますよ」

では、坊主女子は街中でどのように声をかけられているのだろうか。

「おじいちゃんおばあちゃんが多いんですが、『思い切ったね』と言われることが多いですね。声をかけてくる高齢の方はズケズケ言う方が多いみたいで、いきなり『あなた、病気なの?』と言われたり、ある時は『中国に帰れ』と急に言われてビックリしたこともあります。それから、子供には刺激的みたいで、小学生のグループに遭遇した時、その中の一人が走ってきて、『こんにちは!』と言ってグループに戻っていったり。近所の小学生の間では、名物になっているっぽいです(笑)」

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他の女性にも坊主を勧めるか聞いてみると「勇気もいるので勧めはしませんが、楽しくもなりますし、いい経験になると思うので、人生に一度くらいならチャレンジしてもいいと思いますよ」とのことだ。

ハッシュタグによって「坊主女子」が世の中において一定数存在すると筆者は知った。自らの個性を貫き、堂々と生きている彼女たちを心から応援したいと思った。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。