中日・小笠原慎之介、MLBでの「複数年契約」はあるか 米メディアから“シビア評価”も「イマナガと同水準にはならない」

写真拡大 (全2枚)

中日からメジャーへと飛び立つ小笠原。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 野球の本場でどれだけの評価を得られるか。10月22日、中日の小笠原慎之介のメジャーリーグ移籍が正式に決定した。ポスティングシステムによる今オフの移籍を球団が容認した形だ。

【関連記事】ポスティングの小笠原慎之介に米メディアは慎重な意見 「評価を下げる要因」と指摘されたポイントとは

 2015年にドラフト1位で入団して以来、8年間で41勝(54敗)、防御率3.71、WHIP1.30の好成績を収めてきた小笠原。貴重な左腕エースであり、中日でポスティングシステムを利用するのは2003年の大塚晶則以来、21年ぶり2人目のレアケース。そうした背景を考えても、立浪和義監督の退任に伴う再建期にある中日にとって小さくない影響は必至だ。

 もっとも、現時点で米メディアの評価はかなりシビアだ。メジャーを中心に各国球界の移籍情報を発信する米専門サイト『MLB Trade Rumors』は「体格や球速は際立っているわけではないが、身長5フィート10インチ、体重175ポンドのカブスの左腕、ショウタ・イマナガと比較できる」と、同じ左腕である今永昇太(カブス)との類似性を指摘。その上で、小笠原の“課題”を論じている。

「今シーズンのオガサワラは144と1/3イニングを投げ、防御率3.12という安定した成績を収め、自己最高となる3.7%の四球率を記録した。しかし、その正確なコントロールとは対照的に、13.6%という自己最低の三振率(K%)が彼の評価を下げる要因となっている。オガサワラは過去にはもっと多くの三振を奪っており、2022年には24%、2023年には20.1%の打者を三振させてきた。この時期には四球率も高めだったが依然として優秀な数値だった」

 奪三振率の低下を懸念する同メディアは、「複数年契約は妥当と思われるが、イマナガが得た5300万ドル(球団/選手オプションにより7900万ドルまで増額可能)と同水準の契約にはならない可能性が高い」と断言している。

 ただ、ポスティング決断している以上、米球界からの評価が「全くない」というわけではない。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』は「MLB球団がオガサワラをどう評価するかは不透明だ。だが、彼が今年のFA市場で入手可能な最年少の先発ローテーション候補の一人となるのは間違いない」と指摘。先発投手のテコ入れが必要とされるジャイアンツ、オリオールズ、レッドソックスが入札候補だとしている。

 ここ数年で日本人投手の評価は一段と高まった感はあるが、果たして27歳の左腕はどのような契約を得るか。正式なポスティング宣言から45日間での交渉の行方は大いに注目したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]