中国軍の空母とみられる艦船。中国国営中央テレビ電子版が14日、台湾周辺で実施した軍事演習の一場面として報じた(共同)

 中国軍が14日に台湾を包囲する軍事演習を実施したことを受け、日米欧は相次いで懸念を表明し自制を求めた。石破茂首相は同日「台湾海峡や周辺の平和と安全は地域にとって極めて重要な問題だ」と記者団に述べ、状況を注視すると強調した。

 青木一彦官房副長官は15日の記者会見で「関連の動向に重大な関心を持って注視している。中国側にわが国の懸念を伝達した」と明らかにした。

 米国務省のミラー報道官も声明で「深刻な懸念」を示した。同盟・友好国と共に中国軍の動きを注視するとし、台湾海峡の平和と安定を損なう可能性のある行為を自制するよう中国に要求した。

 欧州連合(EU)欧州対外活動庁は14日に発表した報道官声明で「武力や威嚇により現状を一方的に変更するいかなる行動にも反対する」と表明。「全ての当事者に自制を求める」と呼びかけた。ロイター通信によると、英国の首相報道官も中台間の問題解決には「軍事行動ではなく両者の建設的な対話が必要だ」と強調した。(共同)