いまフードデリバリーの利用率が低下中…ユーザーが特に不満な点は「配達料金の高さ」、もう1つは…?

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直近3か月の利用率を2年前と比べると…

町中でフードデリバリーのバイクや自転車を見かける機会が、以前よりも減った気がする……。

そんな印象を裏付けるような調査をマーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが行なっている。

「宅配に関する調査(2024年)フードデリバリー・食材宅配編」によると、フードデリバリーの直近3か月の利用率は15%と2年前より5pt低下した。2年前といえばコロナ禍真っ只中であり、頻度が落ちるのは無理もないことかもしれない。

年代別に見ると、20〜30代の利用率は2割程度と比較的高いものの、2年前とくらべると、総じて利用率は低下し、特に20代は9ptの低下と目立つ。

フードデリバリーはどのような場面で利用されているのか。

回答の1位は「外食をするのが面倒・時間がない」(54%)、つづく2位は「料理・自炊をするのが面倒・時間がない」(44%)。忙しい(あるいは面倒くさがりの)単身者の利用が多いことがイメージできる。

「負のスパイラル」が影響か?

利用率低下とも関連があると思われる、フードデリバリー利用者の不満点は何か?

同数で1位となった1つめは「配達料金がかかる/高い」。ただ、2年前の調査時より7pt低下しており、フードデリバリーの手数料等への理解が広まっている可能性はある。

そしてもう1つ、特に不満を集めた点は、「届くまでの温度管理」。こちらは2年前の調査から2pt上昇した。

先日「マネー現代」で公開した〈「ウーバー届くの遅すぎ!」待たされてキレる客も…33歳ベテラン配達員が危惧する「負のスパイラル」〉によれば、利用率低下で、

「注文数が減る → 稼げなくなる → 配達員の数が減る → 雨の日など注文が集中した際、さばき切れなくなる → サービスの使い勝手が悪くなり、より注文数が減る」

といった「負のスパイラル」がウーバーイーツなどで進行している可能性が指摘されていた。もちろん、配達の遅延はこの「温度管理」にも悪影響を与えるだろう。

この利用率低下に歯止めがかかり、フードデリバリーがそのスパイラルから抜け出せる日は来るのだろうか?

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現役配達員である筆者が、いまウーバーイーツに起きている異変を描いた〈「ウーバー届くの遅すぎ!」待たされてキレる客も…33歳ベテラン配達員が危惧する「負のスパイラル」〉。本稿でフードデリバリーの現状に興味を持った読者は、ぜひこちらもあわせてご一読いただきたい。

「ウーバー届くの遅すぎ!」待たされてキレる客も…33歳ベテラン配達員が危惧する「負のスパイラル」