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「アーサー・フレックは問題のある人物だ。しかし、彼の内側にはロマンスと音楽がある」──。映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の監督・脚本を手がけたトッド・フィリップスは、続編を構想する初期段階から、主演のホアキン・フェニックスとそう話し合っていたという。

作品のキーワードである“ロマンス”と“音楽”の相手役となったのは、リー役のレディー・ガガ。グラミー賞に13度輝く歌姫との共演に、さすがのフェニックスも緊張を隠しきれなかった。2人が歌うシーンが初めて撮影されたのは、撮影開始からわずか9日目のこと。米にてフィリップス監督が語ったところによると、ガガから生歌唱とダンスの指導を受けたフェニックスは、あまりの緊張で「毎日体調が悪かった」という。

「実際、2人はお互いにアドバイスをし合っていました。彼(フェニックス)は彼女(ガガ)に演技の助言をしていたし──彼女は映画に出ているけれど、今回の相手はホアキン・フェニックスですから。その一方、彼女はレディー・ガガだから、彼に音楽の助言をしていました。これこそ大いなるコラボレーションで、映画はかくあるべきだと思いましたね。」

もっとも、フェニックスからガガへのアドバイスが比較的抽象的で穏やかなものだったのに対し、ガガはフェニックスに向かってより具体的な指摘をしていたようだ。「たとえば、“ここの音程が合っていない”とかね。(フェニックスの指摘とは)別物ですよ。解釈の余地が少ないから」

しかも本作の歌唱シーンで目指されたのは、いわゆるミュージカルらしさではないアプローチ。劇中曲はフィリップス監督がアーサーとリーの感情に基づいて自ら選んでおり、フェニックスとガガは“うまい歌唱”ではなく役柄としてリアルな歌唱を心がけた。ガガも歌手としての下手な歌唱に挑戦しているが、プロの歌手でないフェニックスにとってはより高いハードルだったとみられる。

ミュージカル・ファンを自認するフィリップス監督は、だからこそ本作を「ミュージカル」とは分類しない。前作でもアーサーはしばしば踊っていたが、今回のコンセプトは「頭の中で音楽を聴いていた男が、人生で初めて愛に出会ったら、その音楽が外に出てくるのかもしれない」というもの。「劇中の音楽はほとんどがせりふです。言いたいことを言うための言葉が見つからないとき、アーサーは歌い出すのです」とも説明されている。

「ミュージカルを観ると、だいたいは劇場に入ったときよりもいい気分で外に出ることができます。しかし、この映画で同じ体験ができるかはわからない」とフィリップス監督は言う。「映画を観た後、劇中の曲を口笛で吹きながら帰ることになるなどと、誤解を招くことは言いたくないんです」

映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は2024年10月11日(金)公開。

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