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 ◇ナ・リーグ地区シリーズ第5戦 ドジャースーパドレス(2024年10月11日 ロサンゼルス)

 ドジャース・山本由伸投手(26)が運命の第5戦に先発。パドレス・ダルビッシュと、ポストシーズン(PS)では史上初めてとなる日本投手の先発としての投げ合いで、先にスコアボードに「0」を入れた。

 試合前から決戦ムードは最高潮だった。山本がウォーミングアップのため、グラウンドに姿を現すと、スタンドのファンから自然発生的に大歓声が沸き起こった。高まる一方の期待を背に上がった初回のマウンドだった。

 初回から最大出力だった。先頭のナ・リーグ首位打者のアラエスを直球を追い込み、最後はカーブで一ゴロ。今ポストシーズンで4本塁打を記録している2番・タティスも直球系で追い込み、スライダーで空振り三振。最後はプロファーを直球で二ゴロに仕留めた。初回に要した球数はわずか10球。総立ちの大観衆の、歓声を背に堂々と自軍ベンチへと引き揚げた。

 初のポストシーズン(PS)登板となった5日(日本時間6日)の第1戦。マチャドに2ランを被弾するなど、初回に3点を失い、立ち上がりで乱れた。試合の中で修正することはできず、大谷の3ランで3−3と同点となった直後の3回には2死2死一、二塁からボガーツに左翼線への勝ち越し2点二塁打を献上。打たれた瞬間、叫び声を上げ、悔しさをあらわにした。

 チームは勝利を収めたが、自身は3回5安打5失点と不本意な投球内容だった。試合後は「ホームランを打たれるのも良くないですけど、その前も四球でランナーをためてしまったり、そういったピッチングの基本的なところができていなかったと思います」と反省。ロバーツ監督はパドレスに、山本の投球フォームの“癖”が見抜かれている可能性を指摘していた。

 屈辱のマウンドから中5日で上がった同じ本拠のマウンド。山本はリベンジを胸に期し、全力で腕を振った。