損保ジャパン

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 損害保険ジャパンは11月から、勤務地を限定して採用した地方社員を東京本社に配属する新たな制度を始める。

 同社は旧ビッグモーターの保険金不正請求など不祥事が相次ぎ、再発防止に向けた取り組みの一環。地方支店の業務の質や法令順守意識を高め、組織改革につなげる狙いがある。

 対象社員は3か月間の本社勤務となる。社内で「短期留学」と位置づけ、発令を伴う正式な人事異動として扱う。多くは新商品などを検討する商品開発部に配属する方向で、本社業務のノウハウを学び、業務レベルの向上につなげる。首都圏近郊の一部を除き、原則会社が借り上げたマンションを利用してもらう。

 同社は昨年、旧ビッグモーターの保険金不正請求問題や企業向け保険料の事前調整問題などが明らかになり、金融庁から業務改善命令を受けた。これを受け、全社員を対象に法令順守を始めとした教育制度の見直しを進めている。

 新たな制度を通じ、本社との関係が希薄になりがちな地方社員にも再発防止に向けた経営方針や業務改善の取り組みを伝え、社内風土の変革を目指す。