リビングが臭いとき、どうしてる?

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 リビングに入って「なんか臭い…」と感じた経験がある人は少なくないのではないでしょうか。リビングは家族が集まったり、ゆったりくつろぎながら自分の時間を過ごしたりすることの多い場所。だからこそ、不快なにおいがすると気になるものです。

「うちのリビング、なんか臭い!」と感じたとき、どこをどのように掃除すればいいのでしょうか。リビングのにおいを取り除く掃除術について、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに教えていただきました。

空気清浄機から悪臭が発生するケースも?

Q.そもそも、なぜリビングに悪臭が発生してしまうのですか。

有賀さん「リビングは、家族団らんだけでなく、いろいろなことをして過ごす場所でもあるので、暮らし方や間取りによってさまざまな生活臭がすることが考えられます。

例えば『フローリング』。素足で歩けば、足裏から汗や皮脂が床に付着しますし、食べこぼしなどでも汚れます。掃除を怠ってしまうと、雑菌が繁殖してにおいのもとになります。

また、カーテンなどのファブリック類のメンテナンスを怠ると、ほこりっぽいにおいがしますし、さらには梅雨時期や暖房などで外気温との寒暖差が大きくなると、結露ができてカビが発生し、カビ臭が発生することもあります。

洗濯物をリビングで干している場合は部屋干し臭が、エアコンのメンテナンスが行き届いていなければ、温度設定によってはエアコンから悪臭が吹き出す場合もあります。部屋の空気をきれいにしようと置いた空気清浄機のメンテナンスを怠れば、そこから悪臭が発生してしまうケースもあるでしょう。

他には、犬猫などのペットを飼っていれば、ペットの体臭や排せつ臭もしますし、家族に喫煙者がいれば、気を付けていても煙が部屋に入ったり、においが衣服に付着したりして多少なりともたばこ臭がすることも考えられます。

趣味のガーデニングで、植木鉢をリビングに置いているご家庭では、水のやりすぎで根腐れを起こしてしまうとドブ臭がしたり、鉢土や有機肥料などのにおいがしたりすることもあるでしょう。

キッチンやダイニングとともに一つの空間になっているLDKタイプの間取りでは、キッチンのゴミ箱や排水口から生ゴミ臭などのにおい、揚げ物や焼き肉などの調理時のにおいがしやすくなる可能性もあります。このように、リビングでは多種多様な悪臭が発生する可能性があるのです」

チェックするべき場所は「7カ所」

Q.「リビングが臭い!」と感じたとき、チェックすることが推奨される場所はどこでしょうか。

有賀さん「リビングが臭いと感じたら、まずは窓を開け放って部屋全体の換気を行い、その後、においの発生元を突き止めて掃除をするようにしてみましょう。次の7カ所のチェックを推奨します」

【フローリング】

皮脂や汚れが付着すると床がくすんで見えたり、ベタベタしたりします。普段の掃除機がけにプラスして水拭きを行いましょう。水拭きだけでは取れない皮脂や油汚れは、先に「洗剤拭き」をしてから水拭きして、洗剤の成分をしっかり拭き取ります。除菌も期待できるスチームモップを活用してもよいでしょう。

【カーテン】

「部屋全体が何となくほこりっぽい」「カビ臭がする」と感じたら、カーテン裏面(窓側)の下の方をチェックして、カビが生えていないか確認しましょう。一見するときれいでも、カーテンレールにほこりが積もっていたら、カーテンにもほこりがたまっていると判断してよいと思います。

カーテンは洗濯表示を確認し、洗える場合はフックなどを取り外してから洗濯機で洗います。汚れがひどい場合は、酸素系洗剤でつけ置きしてから洗いましょう。カビが生えている場合は、洗濯表示を確認して、可能であれば塩素系漂白剤を使います。洗い終わったら、フックを取り付け直してそのまま掛けておけば、シワも伸びてきれいに乾きます。天気のよいときに作業しましょう。

【カーペットやファブリック類】

汗や汚れ、ほこり、ペットの体毛などが付着しているとにおいの原因になるので、クッションカバーやカーペット、マット類、ペットの毛布など洗えるものは洗いましょう。洗うことが難しいカーペットは、中性洗剤を入れた水に雑巾を浸し、固く絞ってから拭いて乾かします。

【エアコン】

エアコンは室内の空気を吸い込んで、その空気を暖めたり冷やしたりして吹き出しているので、エアコンのフィルターや内部が汚れていると嫌なにおいがすることがあります。

まずはフィルターをチェックし、ほこりが付着している場合は掃除機のノズルなどを使って吸い取ります。フィルターが油っぽい場合は中性洗剤で水洗いを、カビが発生している場合はカビ取り剤を使って取り除き、よく乾かしてから設置し直します。フィルターをきれいにしてもにおいが気になる場合は、エアコン内部の洗浄をハウスクリーニング業者などの専門業者に依頼するのが賢明です。

【空気清浄機・加湿空気清浄機】

フィルターが汚れていないか、加湿機能付きの場合はタンクや水がたまるトレーにヌメリやカビが発生していないか確認しましょう。フィルターの掃除はエアコンフィルターに準じます。タンクやトレーは、通常は水洗いまたは中性洗剤で洗いますが、ヌメリやカビが気になる場合は塩素系洗剤で洗ってから設置し直します。

【ペット臭、たばこ臭の発生元】

ペットのトイレがにおう場合は、中性洗剤を使って水洗いし、よく乾かします。たばこ臭はなかなか取れないですが、ファブリック類に付いた場合は洗濯を、壁紙などについている場合は、液性がアルカリ性の洗剤や壁紙専用洗剤を使って拭き掃除を行いましょう。においの軽減が期待できます。

【生ゴミ臭の発生元】

三角コーナーや排水口は、気を付けていても雑菌が繁殖して悪臭が発生しやすい場所です。ゴミ受けが汚れていないか、またヌメリやカビが発生していないかチェックしましょう。外せる部品は外して、中性洗剤を使ってスポンジなどで洗います。ヌメリやカビが発生している場合は塩素系漂白剤を使って、つけ置き洗いをしましょう。

においのもとになりやすい生ゴミが入っているゴミ箱は、汁などで汚れていたら水洗いし、よく乾かしてから使いましょう。中性洗剤を使ってもよいです。

「こまめな換気」だけでも変わる!

Q.「不快なにおいが発生しにくいリビング」にするには、どうすればよいですか。

有賀さん「リビングはさまざまな悪臭が発生しやすいので、まずはこまめな換気に気を配り、部屋全体の空気が入れ替わるようにするだけでもにおいが軽減されるかと思います。そして、こまめに掃除を行い、洗えるものは定期的に洗濯をして、においの発生元をできるだけなくすようにできると理想的です。

キッチンがリビングとつながっている場合は、次の点にも気を付けてみてください。

・生ゴミは水気をよく切ってから捨てる
・においが漏れにくいように、フタつきのゴミ箱にする。直接ゴミ箱に生ゴミを捨てずに、小分けのビニール袋へ入れ、袋を閉じてからゴミ箱に入れる
・調理時は必ず換気扇を回す
・排水口など悪臭が発生しやすい場所はこまめに掃除をする

また、空気清浄機の場合は、一番外側のフィルター以外に、本体内部の交換可能なフィルターがあります。そういった部品も定期的に交換してきれいにすることをおすすめします。

注意点としては、塩素系漂白剤を使うときには、酸性洗剤を併用して使わないようにしてください。有毒ガスが発生して危険です。換気に気を付けながら、手袋などをはめて掃除をしましょう。また、ご自身で洗浄スプレーを使ってエアコンの内部を掃除することは故障の原因につながるため、あまりおすすめしません。

掃除にプラスして消臭剤や消臭スプレーを活用したり、場合によっては脱臭機や空気清浄機などの家電も上手に取り入れたりしながら、空気も気持ちのよい快適なリビングにしましょう」