石破茂新総裁が初会見 総裁選戦った8人に「最もふさわしい役職にお願いするのは当然のこと」

写真拡大

 自民党総裁選挙が27日に行われ、石破茂元幹事長が決選投票の末に、第28代の総裁に選出された。石破氏は10月1日に行われる臨時国会で第102代の内閣総理大臣に選出される予定だ。総裁選後、初の会見に臨んだ石破氏は、「ルールをきちんと守る政党に」と語るとともに、総裁選を戦った8人の候補については「最もふさわしい役職にお願いするのは当然のこと」と述べた。

【映像】涙、涙の石破陣営

石破茂新総裁

 「今回の総裁選挙にあたり、ご支持・ご支援をいただいた多くの皆様方、そしてともに戦いました仲間たち、8人の候補者が私の他に立候補した。大勢の方がご支援をなさった。そういう皆様方にも心から敬意を表する。

 今回の総裁選挙は岸田前総裁が、いろいろな自民党を巡る問題に自ら身を引くというご決断をなさって、こういう形になった。私も党の同志とともに、岸田前総裁の気持ちに報いるように、全身全霊を尽くしてまいる所存だ。我が党が、野にあった3年3カ月というものを決して忘れてはならない。

 私どもはいろいろな事情で、野に下り、民主党政権が3年3カ月続いた。谷垣総裁、大島幹事長、田野瀬総務会長のもとで2年間政務調査会長を拝命した。来る日も来る日も反省会の連続で、1000回以上にわたって全国の車座対話というのを続けた。

 谷垣総裁のもとで新しい党の綱領も策定した。我が自由民主党は、自由闊達に真実を語る、そういう政党であらねばならない。あらゆることに、公平公正な政党でなければならない。そして謙虚な政党でなければならない。

 安倍総裁のもと私は幹事長だったが、政権をまたお預かりすることになった。もう一度あの原点に返って、我が党は真実を自由闊達に語る政党であり、あらゆることに公平公正な政党であり、そして常に謙虚な政党であると、そのような党を同志の皆様とともに作っていきたい。

 今回、総裁選挙にあたり、ルールを守る自由民主党、日本を守る自由民主党、そして国民を守る自由民主党、地方を守る自由民主党とそういうようなスローガンを掲げた。ルールをきちんと守る政党でなければならない。きちんと国民の皆様に検証されるような、そういう仕組みを作っていかなければならない。

 安全保障の課題は山積している。この総裁選挙の間にも、ロシア機による領空侵犯、そして中国艦による接続海域入域、いろいろな問題があった。北朝鮮のミサイル発射もあった。安全保障の仕事を長く手がけてきたが、日本国を守るということをきちんと確立をしたい。

 能登半島で今なお苦難の中におられる方が大勢いる。国民を守る、そういう自由民主党でありたいと思い、その実現に力を尽くす。困難な中にある方、苦しい中にある方、どうして政治はわかってくれないんだと、そういう悲痛な思いの方々国民を守る。自由民主党でありたい。

 この20年、GDPはほとんど横ばい。配当は増え内部留保は増え、非正規の労働者は4割増えたが、しかし実質的な賃金は横ばい、設備投資も横ばいだ。私どもは、岸田総裁が一生懸命努力をしてこられたデフレからの脱却を確実なものにしていかなければならない。物価上昇を上回る賃金上昇このことを実現するために、新しい資本主義にさらに加速度をつけたい。

 人口減少はそう簡単に止まらない。少子化の本質は、母が少ないと書く少母化だ。結婚したくてもできない、そういう方々に我々は光を当て、望む人が結婚できるよう、そして人口減少に必ず歯止めをかける予定数日本国を作る。

 地方の人口減少は止まらず、歯止めをかけていかねばならない。そのための手法については、私自身、地方創生大臣を務めていた時から10年にわたり、いろいろと勉強はしてきたつもりだ。

 この人口減少に歯止めをかけるとともに、東京一極集中打破というのは、東京対地方の構図ではない。東京をさらに発展させるために、そして地方さらに発展させるために、地方を守るというスローガンのもとに努力する。

 女性の方、若い方々、そういう方が希望を持って暮らせるような社会、一生懸命働いた人が報われる社会、ハンディを持たれた方、いろいろな事情の方そういう方々が、きちんと活躍できる社会を作る。

 皆が安心で安全で、そして1人1人に笑顔が戻ってくる。悪口を言い合うのではなく、足を引っ張り合うのではなく、みんなが笑顔で暮らせる、安心して暮らせるそういう日本国をつくるために、自由民主党は、大勢の皆様とともに、国民の皆様とともに、新しい本を作るために、最善を尽くしていく。

―解散はいつか。また裏金で処分された議員の公認は。

 (解散は総理に)指名された時に判断する。公認については選挙対策本部で適切に判断するが、公認権者は総裁たる私。ふさわしいという説明責任は私も果たしていきたい。

―今後の人事は。

 自民党の置かれた厳しい状況を打開し、国民に信頼いただくため党において、あるいは内閣において、あるいは国会においてそれぞれの役割を適切に果たしていただけるように人事を行いたい。いろいろな方の持っておられる能力を最大限、発揮できる人事を行う。共に戦った8名の皆様は立派な識見、立派な政治姿勢お持ちの方ばかり。共に戦った方をそれぞれに最もふさわしい役職にお願いするのは当然のこと。それは高市候補、小泉候補も同じだ。
(ABEMA NEWS)