OpenAIのサム・アルトマンCEOが、「The Intelligence Age」と題する記事を公開しました。AIの登場によって変わる人類の未来を予測する中で、アルトマンCEOは「数千日以内に超知能が誕生するかもしれない」と述べています。

The Intelligence Age

https://ia.samaltman.com/



アルトマンCEOは「私たちは今後数十年で、祖父母にとっては魔法のように思えたようなことができるようになるでしょう」と記しています。

アルトマンCEOは、人類がより有能になったのは遺伝子の変化ではなく、祖先が築いてきた社会のインフラによるものだとしています。そして、AIこそが人類単独では解決できなかった問題を解決する助けになるという予測を述べました。

また、近い将来、AIなしではできなかったことをはるかに多く達成できるようなAIを活用できるようになり、個人が様々な分野に通じたAIで構成されたチームを抱えることで、想像できるものをほぼ何でも創造できるようになる、とアルトマンCEO。

例えば、あらゆる科目やあらゆる言語について個別指導ができるAI家庭教師で子どもを教育したり、AIがより優れた医療を行ったりあらゆる種類のソフトウェアを開発できたりするようになる、とアルトマンCEOは予想しています。



by Village Global

アルトマンCEOは、AIの発展が人類に共有された繁栄をもたらすと考えており、将来的には全ての人々の生活が、現在の誰よりも良くなる可能性があると述説。そして、「(人間の知能を超えるような)超知能が数千日以内に誕生する可能性はあります。もっと時間がかかるかもしれませんが、私たちはそこに到達できると確信しています」と、アルトマンCEOはコメントしました。

この進歩の背景には、あらゆるデータ分布、あるいはそのデータ分布を生み出す根本的な「ルール」を真に学習できるディープラーニングの成功がある、とアルトマンCEO。ディープラーニングのアルゴリズムは計算能力とデータが増えれば増えるほど、人々が難しい問題を解決するのをより良く支援できるようになりますが、この事実の重要性がどれほど大きいかを完全に理解することは難しいとアルトマンCEOは述べています。



アルトマンCEOは「技術は人類を石器時代から農耕時代、そして産業時代へと導きました。今後はコンピューティングやエネルギーや人間の意思によって知能時代(Intelligence Age)への道が開かれます」「AIをできるだけ多くの人に届けるには、コンピューティングのコストを下げて大量の計算を実行する必要があります。これには大量のエネルギーとチップが必要です。十分なインフラストラクチャーを構築しなければ、AIは戦争で奪い合うような非常に限られたリソースとなり、富裕層のためのツールとなってしまいます」とも述べています。

しかし、アルトマンCEOはAIがもたらす課題についても言及しています。

「AIの発展により、今後数年間で労働市場に大きな変化が起こる可能性があります」とアルトマンCEOは予測していますが、「仕事に対する変化は、思ったよりも緩やかに進むでしょう」とも述べています。AIの発展には複雑で非常にリスクの高い課題があるため、AIの利益を最大化しつつ害を最小化することに今から取り組む必要があると強調しました。

アルトマンCEOは、「今日私たちが行っている仕事の多くは、数百年前の人々にとっては取るに足らない時間の無駄に見えたでしょう。しかし、過去を振り返って、自分がランプの点灯夫だったらよかったのにと思う人はいません。ランプ点灯夫が今日の世界を見たら、自分の周囲にある繁栄は想像を絶するものだと思うでしょう。そして100年先には、私たちの周囲にある繁栄は同じように想像を絶するものに感じることでしょう」と述べました。