DeNA・三浦大輔監督(撮影=萩原孝弘)

写真拡大

 阪神とDeNAのお互い負けられないゲーム。序盤の劣勢を跳ね返した三浦ベイスターズだったが、岡田阪神の粘りにあい延長の末、昨年の王者の底力に屈した。

 先発の茺口遥大は3回、大山悠輔のタイムリーと井上広大の3ランで主導権を握られるも、5回に森敬斗と林琢真の連続ツーベースで1点を返し反撃開始。2死を取られながらも佐野恵太が四球で歩くと、タイラー・オースティンのタイムリーで2点差とする。なおも二死一・二塁のチャンスが続き、天敵の青柳晃洋がマウンドを降りたタイミングで代打に宮崎敏郎を投入すると、左中間スタンドへ150号のメモリアル逆転3ランで試合をひっくり返すことに成功した。

しかし8回にローワン・ウイックが無死満塁のピンチを招き、大山悠輔をセカンドゴロに打ち取るが、牧秀悟の本塁送球が逸れ再び同点とされる。そして10回、JBウェンデルケンが佐藤輝明に特大弾を浴び、接戦をモノにできなかった。

 試合後、三浦監督は3回でマウンドを後にした茺口に対し「スリーランが大きかったですね」と悔やみつつ「あそこでの交代は流れをちょっと変えたかったんでね。全部が全部ね悪いボールじゃなかったですし、最初はね145、6キロのボールでしっかり押し込めるところもありましたけどね」と評価。

 後を継いだリリーバーにも「JBもウィックもそうですけども、リリーフ陣もこのところずっとでね、登板数も増えてますし、球数も増えてる中でね、もうみんながいっぱいいっぱいのとこですけど、よくやってくれてます」と労った。

 一時逆転のアーチを放った宮粼には「ああいう形でね代打で行っても、しっかりとね最高の答えを出してくれましたと最敬礼した。

 痛い失策を喫した牧の送球エラーには「打球の速さ、サードランナーの反応。間違いじゃないと思います。タイミング的にアウトでしたから。ただ送球がちょっと逸れた分だけセーフになりましたけども、あれはとっさの判断だと思います」と責めることはしなかった。

 この敗戦で1日にして4位に転落したベイスターズ。この先の戦いを進めるためにも、もう一度足元を見つめ直し、勝ち抜く覚悟を示したい。

取材・文・写真:萩原孝弘