中国BYD「デンツァ(騰勢)」完全子会社化へ メルセデス・ベンツが合弁事業から撤退
デンツァ、欧州参入への地ならしか
中国のBYDは、2010年にメルセデス・ベンツと共同で設立したEV合弁会社、デンツァ(騰勢、Denza)への出資比率を100%に引き上げた。
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デンツァはもともとBYDとメルセデス・ベンツが50:50で出資していたが、2022年にBYDが出資比率を90%に引き上げた。今回は残り10%を買収し、デンツァを完全に掌握する形となった。
欧州市場に導入予定のデンツァZ9 GT
中国の経済メディア『Yicai』の報道によると、現在BYDは規制当局の承認を待っているところで、正式に株式を取得するのは今年後半になるという。
こうした動きは、デンツァの欧州市場参入に向けた準備の一環だ。
BYDの欧州製品責任者であるイー・スン氏は7月、AUTOCARの取材に対し、販売体制の構築のために「ディーラー候補と協議中」だと語った。メルセデス・ベンツの本拠地であるドイツのシュトゥットガルトで、フラッグシップモデルのZ9 GTのテストを行ったこともあるという。
「BYDはグローバル化を目指しているため、すべての主要市場で存在感をアピールする必要があります」とスン氏は語った。
デンツァZ9 GTは、BMW i5などのライバルとして位置づけられる高級EVで、シューティングブレイクのボディを特徴とする。全長は5180mm、最も強力な仕様では3基の電気モーターを搭載し、合計出力965psと最大トルク140kg-mを発生する。
AUTOCARが入手した情報では、兄弟ブランドのファンチェンバオ(方程豹、FangChengBao)と合わせて、複数のEVとPHEVを導入する計画だ。
デンツァのモデルは昨年の「ジャパン・モビリティショー2023」でも披露され、注目を集めた。