未来の自動車やXRグラスなど、シャープが開発中の最新技術を一同展示「SHARP Tech-Day’24」

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 シャープは17日、開発中の新技術や最新ソリューションなどが一同に展示される技術イベント「SHARP Tech-Day’24 “Innovation Showcase”」を開催した。18日まで東京国際フォーラム(東京都千代田区)で実施される。

 本項では、展示内容の一部をご紹介する。

EV自動車のコンセプトモデル「LDH+」

 「LDH+」は、車内をリビングルームの拡張空間としてとらえ、走行していない時でも生活空間にできる電気(EV)自動車のコンセプトモデル。大画面の液晶ディスプレイを車内後方に設置し、後部座席が後ろ向きに回転することで、リビングのような空間として利用できる。

窓には電子シェードが備えられており、シェードをオン(右)にすると、個室感がより高まる

未来の自動車コックピット

 また、同社のさまざまなソリューションが詰め込まれた“未来の運転席”も展示されている。

 たとえば、ディスプレイの中央にカメラを内蔵した画面や、凹凸やボタンの打感が返ってくるタッチパネルなど、同社のソリューションを集めた自動車のコックピットが展示され、体験できる。

ディスプレイの中央にカメラが内蔵されている

打感が返ってくるタッチパネル

XRグラス「MiRZA」

 XRグラス「MiRZA」は、NTTコノキューとシャープが共同出資するコノキューデバイスが開発したARグラス。Snapdragon AR2を搭載し、スマートフォンと無線接続で操作できる。

 視界が暗くならないため、同時翻訳など周囲の環境とあわせて利用できるほか、矯正用レンズや遮光レンズも用意されている。

矯正用レンズ

遮光レンズ

画面内イメージ

5GやNTNソリューション

 無線通信技術では、「Beyond 5G IoT通信端末用SoC」や「低軌道衛星用の通信端末」、「Instant 5G Network」などが紹介されている。

 「Beyond 5G IoT通信端末用SoC」は、日本国内で設計されカスタマイズが可能なチップセットで、通信機能のさまざまなカスタマイズができる。

 「低軌道衛星用の通信端末」は、LEO(低軌道)衛星での通信サービスが利用できる端末。OneWebのLEO衛星と通信でき、まずは船舶など海上での利用が見込まれている。同社独自の機能として、スマートフォンアプリで通信不能時のトラブルシューティングやメンテナンスできる機能が搭載されている。

 「Instant 5G Network」は、ローカル5Gの基地局設備とコア装置を小型のトランクケースに収納されたもので、簡単に持ち運べローカル5G環境を構築できる。

 会場でも実際に電波を発射して、ローカル5Gエリアを構築。監視カメラの映像を伝送していたほか、ローカル5Gで繋がるスマートフォンを手にしたスタッフが会場を回遊して、「現地からのレポート」風に活用できる様子が披露された。

 携帯電話の通信ネットワークと同じ仕組みであることから、Wi-Fiよりも混雑した環境に強く、実際にリアルタイムの映像を伝送できる様子を示すことで、通信品質が維持されていることをアピール。遅延もかなり抑えられており、映像処理(エンコード・デコード)にかかる処理で200ms程度とのことだった。