もう耐えられません…月収55万円の〈50歳夫〉3年の闘病の末、永眠。義実家との関係が悪い〈48歳妻〉がとった「驚きの決断」
配偶者を亡くすという悲劇。悲しみのほか、この先の生活はどうなるのかという不安も加わり、途方に暮れることでしょう。さらに義実家との関係がよくない場合、この関係がこの先も続くと、目の前が真っ暗に。なんとか絶望から逃れる方法は……。
義実家との仲の良くない専業主婦…2つ上の夫を亡くす
3年に及ぶ闘病の末、息を引き取ったという中村浩子さん(仮名・48歳)。亡くなった2歳年上の夫とは、会社の先輩・後輩の間柄。結婚後、浩子さんは退職し専業主婦に。2人の子宝にも恵まれ、絵にかいたような幸せな家族だったといいますが、ひとつ欠点をあげるとすれば義実家との関係。
3人きょうだいの末っ子で、上にふたりの姉がいたという浩子さんの夫。末っ子長男ということで、母親から激愛される一方で、姉からはどこか嫉妬みたいなものを感じて育ったとか。
そして浩子さんと結婚すると、義母は浩子さんを「大切な我が子を奪った嫁」とでもみなしたのでしょうか。引き続き、夫を激愛する一方、浩子さんには冷たくあたったといいます。一方、義姉は夫ばかりでなく、浩子さんにも嫉妬に似た感情をぶつけてきたといいます。
――義実家に行くのが本当にツラかったです
さらに3年前、夫が病にかかると、義母は「なぜ××(夫の名前)がそんな病気に!? あなたが代わりに病気になるべきよ」と、八つ当たりされたとか。
――夫が大病を患い、ツラい思いをしているなか、義母からの心無い言葉……本当にどれほど泣いたところか
入退院を繰り返しながらも、最後まで一家を支えようとしてくれた夫には、本当に頭が下がる思いだという浩子さん。夫との別れは本当にツラく、悲しくも、「もう十分。ゆっくり休んでほしい」という思いも強いといいます。
夫を亡くしたことで、住宅ローンの返済は免除に。生命保険にも加入していたため、今後の親子3人の生活に心配もありません。さらに遺族年金も。
遺族年金は、国民年金に由来する「遺族基礎年金」と、厚生年金に由来する「遺族厚生年金」があります。遺族基礎年金の年金額は「81万6,000円+子の加算額」(令和6年度)で、浩子さんは128万5,600円を受け取ることができます。遺族厚生年金の年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3。亡くなる直前、月収55万円ほどだったという浩子さんの夫。遺族厚生年金は65万円ほどとなり、遺族年金合計で約193万円、月額16万円になります。
一家の大黒柱がいなくなっても十分に暮らしていける……浩子さんの夫は家族にたくさんのものを残してくれました。
夫が亡くなったあとも、義実家との関係が続く絶望
ところが、夫が亡くなってからも義母の態度は変わりません。夫が亡くなったあと、「あなたが死ねばよかったのよ」といったかと思えば、「孫をよこせ。あんたに任せられない、私が育てる」とまでいってくる始末。さらに義姉からは、「××(夫の名前)が亡くなって、ローンもなくなって、良かったわね」などと、嫌味も。
ARINA株式会社が行ったアンケート調査によると、「義親にいわれて1番傷ついたひと言」として最も多かったのは、「息子(嫁)がかわいそう」。「給料が少ない」「常識がない」「結婚相手を間違えた」と続きます。
また株式会社しんげんが行った調査によると、「義両親に対して苦手だと感じること」として(「苦手なところがない」38.0%を除き)最も多かったのが「常識やデリカシーがない」で15.0%。「常識やデリカシーがない」「子離れしてない」ともに12.5%と続きます。
――夫を亡くしてまで、義母や義姉との関係が続くと思うと絶望でしかなかった
と浩子さん。「もうこれ以上、耐えられない」と考え、「姻族関係終了届」を提出。中村家とは縁を切ることにしたといいます。
姻族関係の終了に伴い、義親に対する扶養義務はなくなり、また同居をしていれば互助義務も消滅します。また死亡した配偶者の家の祭祀承継者になっている場合は、配偶者の家の人に引き続くことができます。
「姻族関係終了届」を提出したことを義母や義姉には電話で知らせたという浩子さん。特に義母の反発はすさまじく「ふざけるな!」と大激怒。しかし、もう正式に赤の他人。「もう、あなたたちとは関係ないので」とひと言だけ言い残して電話を切ったといいます。
ちなみに「姻族関係終了届」で姻族関係を終わらせることはできますが、相続には関係ありません。仮に夫婦に子どもがいなかった場合、法定相続人は浩子さんと義母となり、浩子さんは遺産の3分の2、義母には3分の1が認められます。
[参考資料]
日本年金機構『遺族年金』
ARINA株式会社『「義親に言われて1番傷ついた一言は?」アンケート調査』
株式会社しんげん『「両親・義両親」に関するアンケート調査』