中華民族

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中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が掲げる「中華民族の偉大な復興」。韓国紙は中国事情に詳しい記者名のコラムでこれを取り上げ、「明・清時代には朝鮮を思うままにできる『宗主権』を持っていた中国が再び富強になって、その『権利』を取り戻さなければならないという危険な意味があるのでは」と警戒を強めた。

ハンギョレ新聞のコラムはまず、2017年4月、習主席が米国のトランプ大統領(当時)と米フロリダ州で会談した際、「韓国は歴史的には中国の一部だった」と発言したとされることに言及。「そのころから中国の歴史教科書も変わり始めた。19年と20年に発行された『中外歴史綱要』の上巻(中国史)、下巻(外国史)によると、政治、文化制度的に優れた『宗主権』を持っている帝国中国と、その文化をそのまま借用して服属した非自主的『属国』の朝鮮半島の王朝の関係だと規定したのだ」と述べた。

また「東アジア地域の秩序全般に対する中国の『大局的介入』を正当化する論理が強調された」と指摘。「中国の歴史の深化学習教材は韓国の政治制度から日常文化に至るまで、中国の制度と文化をコピーしていないものは存在しないかのように叙述し、朝鮮戦争への参戦は地域の平和と秩序の責任を負わなければならない大国としての義務感から始まったものだと記している。韓服やキムチの元祖論争は、このような教科書の叙述の延長線上にある枝葉的な現象にすぎない」とした。

さらに「注目すべき点は19世紀末の清は日本が琉球(沖縄)を併合したり、ベトナムをフランスが植民地化したりすることに対しては積極的に対応しなかったが、朝鮮に対しては最後まで執着したことだ」と論評。ソウル大学歴史学部のキム・ヒョンジョン教授の「朝鮮半島に敵対的な勢力が入れば、満州(現在の東北3省)が脅威にさらされる。首都北京を脅かしうる敵対的勢力が朝鮮半島北部を掌握することは、なんとしても防がなければならないという根が深い認識のため」との地政学的な見方を紹介した。

最近の事例でも「中国が16、17年に在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備決定に反発して韓国に報復措置を取った際、当時の中国外交部のアジア局副局長は『小国が大国に対抗していいのか』と言った。中国はTHAAD配備について韓国に圧力をかけたが、米国のミサイル防御(MD)体制により明確に参加した日本に対しては報復措置を取らなかった」と付け加えた。中国共産党が内戦勝利直後の疲弊した状況下でも、1950年に朝鮮戦争に介入したのも地政学的な理由だという。

その上でコラムは「中国は明・清時代には朝鮮を思うままにできる『宗主権』を持っていたが、西欧と日本の帝国主義のためにこれを喪失し、再び富強になった中国がその『権利』を取り戻さなければならないという、時代錯誤的かつ危険な意味が込められているのではないかという、重い質問を投げ掛けざるをえない」と不信感を募らせた。(編集/日向)