ベラルーシで拘束された日本人男性に関する国営テレビ番組の一場面。タイトルを「日本からの『サムライ』の失敗」とするなどバラエティー番組のようだ=番組から

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 ベラルーシ外務省は6日、「スパイ行為」の容疑で拘束された日本人男性に関し、日本の山本広行駐ベラルーシ大使を呼び出し、男性が同国の安全保障を「損なった」と抗議した。

 捜査中にもかかわらず、男性を「犯罪者」と決めつけた同国の国営放送の番組に対する日本側の抗議も「馬鹿げている」とした。

【写真】「証拠」のSNS、でたらめ翻訳 ベラルーシ日本人拘束、番組に疑問

 同省の発表によると、拘束された中西雅敏さんへの捜査は最終段階で、裁判所が法律に従い量刑を決めるとしている。

 一方、国営テレビは5日、中西さんに関する特別番組を放映。日本側は人権保護の観点から中止を求め、放映後には抗議した。番組では中西さんを「日本の情報機関に所属している」と決めつけ、でたらめな翻訳をつけたSNSの投稿も「証拠」として示されたが、同省は「日本側による犯罪の隠蔽(いんぺい)と非公開の要求は正当性がなく、(放送中止の求めは)検討しなかった」とした。

 同省は、中西さんは「自発的に捜査に協力し、自分で(ベラルーシの)メディアと接触した」などとしている。「我が国の主権を侵害する外国の情報機関の活動は容認できない」とも主張した。