この記事をまとめると

■日本でタウンエースとして展開されているクルマはインドネシアでも製造されている

■インドネシアでタウンエースはダイハツ・グランマックスとして愛されている

■タクシーやキッチンカーとしても広く活用されている

インドネシアではダイハツの商用車が大活躍!

 日本を代表するキャブオーバーバンといえば、いわずとしれたトヨタ・ハイエースとなるだろう。日本だけではなく、新興国を中心にハイエースは大活躍している。

 そして、インドネシアにおける「ハイエース」のような存在が、ダイハツ・グランマックスとなる。日本でもグランマックスはラインアップされているが、日本では兄弟車となるトヨタ・タウンエースのほうが有名といえるだろう。ちなみに、日本におけるグランマックスやタウンエースは、インドネシアで生産されたものが輸入され販売されている。

 2008年に4代目トヨタ・タウンエース、6代目トヨタ・ライトエース(2020年のマイナーチェンジのタイミングでタウンエースのみとなった)として、インドネシアでのグランマックスが日本においてデビューしている。その後2020年にダイハツからもグランマックスとして日本でもデビューしている。海外生産モデルということもあるのか、商用車として割り切った車内の雰囲気などに新鮮なイメージを受けたのを覚えている。

 日本でのタウンエースやグランマックスには、1.5リッターエンジンに5速MT、もしくは4速ATが組み合わされている(インドネシアでは1.3リッターエンジンもある)。ライトバン以外にもトラックもラインアップされているほか、2020年にマツダ・ボンゴとして、マツダブランドでも販売されるようになっている。

タウンエースが現地でマルチに活躍中

 調べた限りでは、台湾ではトヨタ・タウンエースとして、フィリピンではライトエースとしてラインアップされている。また、インドネシアではダイハツ・ルクシオという、グランマックスベースのMPV(多目的乗用車)も存在する。

 インドネシアの「働くクルマ」代表となるのがグランマックス。ライバルと呼べるのは、スズキのAPV BLIND VANやキャリイ(トラック)、中国ウーリン(上海通用五菱汽車)での、Formo(バン)やFormo Max(トラック)があるが、街なかではグランマックスが圧倒的に多い。トラックやライトバンだけではなく、アンコットと呼ばれる乗り合いタクシーのベース車両としても使われている。

 ちなみにインドネシアでの2023暦年(1月〜12月)締めでの年間新車販売総台数は139万5717台となっている。そのうちダイハツブランド全体の販売台数は18万7177台となり、販売シェア13.4%でトップのトヨタに次ぐ2位となっている。このようなポジションからも、グランマックス以外のダイハツ車も街なかで結構見かけるのだが、それでも圧倒的に街なかで見かける頻度が高いのがグランマックスで、インドネシアでのダイハツの勢いを象徴しているといってもいいだろう。

 日本では手ごろなサイズのトラックはグランマックスぐらいしかないので、キャンピングカーへの架装ベース車として引きが多いようだが、インドネシアではフードトラックなどの架装も多いようで、2024年7月に開催されたGIIAS2024(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2024)会場内ダイハツブースに架装車が展示されていた。