「小林のスクイズは防げた」阪神OB苦言 「守りの破綻」で痛恨黒星...ベンチに「一体感を感じない」
プロ野球楽天の元監督で阪神OBの田尾安志氏(70)が2024年9月1日にユーチューブを更新し、阪神の守備に苦言を呈した。
阪神は1日に甲子園球場で巨人戦と対戦。1−3の7回裏終了降雨コールドで、手痛い黒星を喫した。
「きっちり1塁に送球していれば、ゲームの流れがガラッと変わっていた」
試合は阪神・西勇輝投手(33)、巨人・菅野智之投手(34)の両エースが先発。6回まで互いに譲らず1−1の展開に。試合が大きく動いたのは7回だ。
先頭の大城卓三捕手(31)が三遊間を割って出塁。続く吉川尚輝内野手(29)のセーフティーバントがヒットとなり、3塁手・佐藤輝明(25)の悪送球もあり無死1、3塁とチャンスを広げた。
このチャンスに門脇誠内野手(23)がセンター前にタイムリーを放ち1点を獲得。さらに無死1、3塁とチャンスが続き、小林誠司捕手(35)がセーフティースクイズを決め、2点目を追加した。
阪神は裏攻撃で1死後に走者を出したが、得点につながらず。降雨コールドでこの回で試合が終了した。
田尾氏が試合の敗因に挙げたのが、7回の守備だ。「タイガースの敗因は守りの破綻。ここからきている」とし、独自の視点から敗因を分析した。
「7回は、初めて(巨人の)先頭打者が出た回。後半で雨が降っている。いつゲームが終わるか分からないという状況の中では、1点の勝負だという気持ちでいないといけない場面。先頭打者が出た。当然送りバントだろう。そういうところでいいバントだったが、サードの佐藤が1塁に悪送球をしてしまう。このへんがちょっと寂しい。捕るだけでなく、今は送球の方も不安がある。そういうサードをつかれた。きっちり1塁に送球していれば、1アウト2塁で、ゲームの流れがガラッと変わっていたと思う」
「ナイスバント。セーフティースクイズ成功で、終わらせてはいけない」
そして、小林のスクイズについて言及し、阪神の守備陣に苦言を呈した。
田尾氏は「小林のセーフティースクイズ。ここはなんとかしのげたのではないかと思う」とし、次のように持論を展開した。
「小林がバッターボックスに入った時点で、フリーで打たさないだろうと思わなければいけない。そうなるとセーフティースクイズしかないと思えば、もしセーフティースクイズをしたとき、サードランナーをホームにやらない。そういう守りをしなければいけなかったと思う。そこが、まだ守りが甘いというか、本当にスクイズをしたときに、ホームでさせるところに自分がいたのか。そういう守りをしたのか。そういうことになっていく。ナイスバント。セーフティースクイズ成功で、終わらせてはいけないと思った。あそこはもっと、前進守備をしてもよかった」
試合の模様をテレビ観戦していたという田尾氏。監督を務めた自身の経験からベンチ内の首脳陣の様子に関して、こう指摘した。
「(雨で)中断している間、かなり長く(テレビで)ベンチが映っていたが、一体感を感じなかった。なんか、こっちでちょこちょこしゃべっている。こっちでちょこちょこしゃべっている。そういうのを見ていると、上を目指すぞというものをあまり感じない雰囲気を感じました」
チームはこれで2位・巨人と5ゲーム差となり、首位・広島との差は5.5ゲームに広がった。厳しい戦いが続く中、3日からホーム甲子園球場で5位・中日と3連戦。6日からアウエー神宮球場で最下位ヤクルトとの3連戦を控える。