井上尚弥、来年は聖地ベガス開催へ 陣営アラム氏「1試合はしたい」 中谷潤人戦も「うまくいけば来年」
9.3井上尚弥VSドヘニー
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、9月3日に東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦に臨む。8月31日は神奈川・横浜市内のホテルで両者が会見。共同プロモート契約を結ぶ米興行大手・トップランク社のボブ・アラムCEOも駆け付け、来年は米ラスベガス開催のプランを明かした。NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信。戦績は31歳の井上が27勝(24KO)、37歳のドヘニーが26勝(20KO)4敗。
アラムCEOは会見で「ナオヤ・イノウエは間違いなく日本だけではなく世界のスーパースター」と話すなど高い期待を示した。会見後にも取材対応。92歳ながら元気に来日し、「イノウエが今は世界のボクシング界の顔。だから私がここに来るのは正しいでしょう」と笑った。
半世紀以上ボクシング界で生き、数々のビッグマッチを手掛けた世界的プロモーター。「私の計画では年内にもう一度日本で試合をして、その先は米国で1試合したい」とプランを明かし、「オオタニが試合をすれば日本人がたくさんロサンゼルスに来るでしょう。イノウエがラスベガスで試合をすれば同じようにたくさんの日本人が来ます」と説明した。
一方で「イノウエの市場の第一は日本。その次に米国です」と強調しつつ、2万人規模のT-モバイル・アリーナなど大型興行ができる会場を候補にあるという。「MGMとも話をしている。大きな会場でやるという話です」と“聖地”ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナなどにも言及した。
さらにWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)との対戦について「うまくいけば来年イノウエとナカタニ戦が日本の歴史上最大の試合になる」と計画を明かした。ただ、実現が難しいのも事実。「そうしたいけど、それを実現するまでに全部がうまく進まないと難しいでしょう」と慎重な姿勢を見せた。
また、井上陣営の大橋秀行会長も「来年はラスベガスの可能性もあります」と明言。かねて浮上していた中東開催についても「話もある」とした。井上はコロナ禍でラスベガスで試合をしたが、当時は無観客。大橋会長は米国での需要も年々高まっていることを実感しており、「前とは全然違う。前人未踏のことをやるのが井上の役目。いろいろ話があるので慎重に見極めたい」とした。
次戦の相手はWBO&IBF1位サム・グッドマンが基本線だという。ただ、交渉がまとまらない可能性もあり、大橋会長は「厳しい状況なら変わることもあります。本人も、我々も4団体にこだわりはありません」と王座返上も視野に入れていた。
夢は広がるばかりだが、井上自身はドヘニー戦に集中。「ドヘニーの実力を軽くは見ていない。皆さんが言うほど簡単な試合になるとは思っていない」と警戒心を強めた。ドヘニーも「歴史を作るために来た。モチベーションは高いし、ベルトを獲り返すためにここに来た」と意気込んだ。
(THE ANSWER編集部)