「校歌を聞いて泣きそうに」京都国際の全国制覇に元広島のOB申成鉉氏も感嘆 韓国メディアで“本音”を吐露「どれだけ努力したんだ」

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最後は粘りの野球で初の全国制覇を成し遂げた京都国際ナイン。(C)産経新聞社

 まさに手に汗握る激闘を制し、快哉を叫んだ。

 8月23日に第106回全国高校野球選手権大会の決勝が行われ、京都国際(京都)が延長タイブレークとなった激闘の末に、関東一高(東東京)に2-1で勝利。初の全国制覇を成し遂げた。

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 共に初の全国制覇を懸けた両校による一戦は、9回を終えて0-0のまま延長戦に突入。いわゆる「甲子園」の決勝史上初となる延長タイブレークにまでもつれ込むと、延長10回表に京都国際が無死満塁の絶好機を創出。ここで2番の三谷誠弥がライトへ犠牲フライを放って1点を先制。さらに1点を加点して迎えたその裏の守りでは、粘る関東一高の反攻を何とか1点で食い止めた。

 京都勢では1956年の当時の平安高校以来68年ぶりに深紅の大優勝旗を手にした京都国際。文字通りの歴史的な快挙には、2008年にドラフト4位で広島入りを果たし、昨年までKBOリーグ球団でもプレーしていた同校OBの申成鉉氏も胸を熱くさせた。

 韓国メディア『NEWSIS』のインタビューに応じた申成鉉氏は「甲子園の本選に行くのも難しいのに、優勝までするなんて本当にすごい。優勝が決まった瞬間、鳥肌が立った」と吐露。「昔のことだったので、大会が始まるまで校歌は完璧に覚えていなかったのですが、いざ聞いてみると、高校時代を思い出してしまって、泣きそうになった」と感慨深げに振り返った。

 さらに自身の在学期間を振り返り、「私が通っていた頃の環境はあまり良くなかった。だから、あの環境の中で甲子園優勝までしたのを思うと、いったい、どれだけ努力したんだろうと考えてしまう」と現役生に脱帽した申成鉉氏は、こうも続けている。

「当時は学校が野球部をあまりサポートしてくれる環境が整っていなかった。私が在学していた頃も野球場はあったのですが、当時は狭くて試合すらできなかった。さらに雨が降ると体育館の中で練習するしかなかった。でも、こうやって全国制覇をした姿を見ると、今は少しずつ環境も良くなってきていると思うから、心底うれしい。これからもっと名門になれるように後輩たちには頑張ってほしい」

 真夏の熱戦を制しての甲子園制覇は、プロ野球にまで駆け上がったOBにとっても強い刺激になったようである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]