コツコツ貯めたタンス預金が「300万円」に! 夫に「税務署から連絡来るんじゃない?」と言われたけど、それって本当? そもそも“タンス預金”はNGなの?

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毎月こつこつと自宅の貯金箱などにお金を貯めている人もいるでしょう。自宅に現金を貯めておくと、重くなっていく貯金箱を持ったときなどにお金が増えている実感が得やすいものです。 しかし、自宅に貯めた現金(タンス預金)については、間違った扱いをすると税務署から通知が来る可能性があります。詳しく見ていきましょう。

自分が稼いだお金をタンス預金で持っている分には問題はない

「タンス預金には税金がかかる」という話を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。ただ、基本的には自分が稼いだお金を自宅にタンス預金としてどれだけ貯めていても、税金がかかることはありません。
一方、タンス預金には取り扱いに注意すべきケースがあります。タンス預金で注意すべきケースとは、相続税が関係する場合です。
 

相続税や贈与税逃れとしてのタンス預金はNG

故人から多額の資産を相続した場合、相続税がかかる場合があります。例えば、正味の遺産額が2億円で妻と子2人が法定相続分どおりに相続した場合、子どもはそれぞれ675万円ずつ相続税を納める必要があります。
相続税は高額になる場合もあり、なんとか支払いを軽減できないかと思う人もいるでしょう。相続税を軽減する手段として、生前に贈与税の非課税額である年110万円以内で贈与を受ける人もいます。生前の贈与により、財産額を減らし、相続税を減らそうとするわけです。
この考えは間違いではありませんが、贈与税の非課税額は年110万円しかありませんので、110万円を超える部分には贈与税が課税されます。
そのため、「もっと多くの金額を生前贈与しておきたいが、預金の移動は税務署にバレるから、現金を引き出してタンス預金として持っておこう」と考える人もいるかもしれませんが、これはNGです。
また、故人が保有していたタンス預金を相続した場合、このお金も相続財産に含まれ、相続税の計算対象となります。そのため、「現金での受け渡しならバレないだろう」と、もらったタンス預金を相続税の計算対象から外してはいけません。
このように、タンス預金は自分で稼いだお金を保管する分には問題はありませんが、相続税や贈与税逃れとしての利用はNGという点を認識しておきましょう。
 

贈与税の非課税枠を超えた分は期限内に確定申告

贈与税が課税される場合、原則として財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までに「申告」と「納税」をする必要があります。申告期限から遅れてしまうと、延滞税がかかってしまうので注意しましょう。
 

まとめ

自分で稼いだお金をタンス預金として持っておくことは問題ありませんが、相続税や贈与税を逃れるためにタンス預金を利用することはNGです。また、そのようなことを試みた場合、税務署にバレてしまい、ペナルティが課される可能性があります。
税金がかかる場合を理解しつつ、支払う必要がある場合はしっかりと期限までに対応しましょう。
 

出典

国税庁 財産を相続したとき
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー