赤色矮星のハビタブルゾーンを周回するプロキシマケンタウリbのイメージイラスト クレジット:ESO / M。コーンメッサー

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 惑星には大きく分けて2つの種類がある。1つは木星や土星のような巨大なガス惑星、もう1つは地球や金星、火星のような岩石惑星(あるいは地球型惑星)だ。太陽系における生命探査は、地球型惑星あるいはそれとよく似た特徴を持つガス惑星の衛星(例えば土星の衛星タイタンなど)をターゲットとして進められており、太陽系外生命探査もこの傾向は変わらない。

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 英国リーズ大学の科学者らは、太陽系外地球型惑星における生命居住可能性にとって、公転軌道が楕円であることが非常に重要であるとの研究結果を発表した。

 天体の軌道は、二次曲線で表され、離心率eによって二次曲線は真円(e=0)、楕円(01)に分類されるが、惑星の公転軌道は真円か楕円のいずれかだ。

 今回の研究では、地球型惑星の公転軌道のeが0(つまり真円)の場合と、eが0.4(真円からかなりかけ離れた楕円)の場合とで、惑星環境にどんな違いが出るのかをコンピューターシミュレーションにより比較。e=0.4の場合、公転軌道が真円の場合と比べて、軌道経路の80%において、居住可能面積が25%増加し、軌道経路全平均で見ても7%増加するとの結論を得た。

 なお、地球の公転軌道におけるeは0.016で、かなり真円に近い。現在発見されている約6500の太陽系外惑星のうち、160個は地球型惑星で、そのうちの89個は楕円公転軌道をとり、それらのうち16個はeが0.1を超えるかなり偏った楕円軌道であることが判明している。

 また公転軌道が真円となるのは、主星の重力によって潮汐ロックがかかっている惑星で、赤色矮星のハビタブルゾーンを周回する惑星がこれにあたる。

 今回の研究成果は、太陽系外の地球型惑星の生命居住可能性を推測する1つの物差しなるが、太陽系外生命発見までの道のりはまだかなり遠い。

 また太陽系外からの知的生命体が発する電波を探索する試み(SETI)は、1960年に始まるオズマ計画時代を含めると既に60年以上続いているが、有益な発見には至っておらず、人類が宇宙の孤独から解放されるのは、いつになるのだろうか。