(漫画:©︎三田紀房/コルク)

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載。連載を再構成し、加筆修正を加えた『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』は、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。連載の第132回は、夏休みの勉強スケジュールが計画倒れにならないコツをお話しします。

夏休み突入、計画倒れで悩んでないか?


「計画通りに物事が進まない!」

そんなふうに思い悩む人は、とても多いと思います。

勉強をしていても、仕事をしていても、事前に立てた計画通りに進まず「計画倒れ」になってしまうことは、多いのではないでしょうか。

8月は「受験の天王山」と言われる、夏休みです。しかし、夏休み前に立てた計画がうまくいかない受験生も、そろそろ出てきているのではないかと思います。

どうすれば、物事を計画通りに進めることができるのでしょうか? 重要なのは、「スケジュールに縛られないこと」であると、漫画『ドラゴン桜』では解説されています。まずは、こちらの漫画をご覧ください。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしょうか?「スケジュール」ではなく「ノルマ」で考えていこう、という話でしたね。

結局、「どれくらい頑張ったか」よりも、「どれくらいの量を実行できたのか」のほうが重要です。

仮に、「1日8時間勉強しよう!」「この時間からこの時間までは数学の勉強をしよう!」と決めたとします。こうすると、自分を律することができます。その一方で、時間に気を取られて、スケジュールを「こなすこと」が目的になってしまう場合があります。

1時間で終わることを3時間やったとしても、それは「3時間頑張った」ということにはならないのです。だからこそ、スケジュール型の計画ではなくノルマ型の計画のほうが重要だと言えます。


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とはいえ、「これを終わらせよう」というだけではあまりよくありません。ノルマを作ったら、そのノルマをどれくらいの制限時間で終わらせるのか、ということを考える必要があります。

時間内で何をどれだけ終わらせるか

ノルマを考えるときに重要なのは、「その時間内で、何をどれくらい終わらせるか」です。

仮に「今日は、3時間くらいは勉強することができるな」という場合は、勉強を始める前に、しっかりとノルマを決める必要があります。

「よし、じゃあ問題集p100〜130を、3時間以内で終わらせるぞ!」と考える。そして、3時間より短い時間で終わったのであれば一旦休憩にして、極力制限時間以上はかけないようにする。だらだらと長い時間勉強してしまうことを防止するために、あらかじめ「この時間内で終わらせる」という制限を作っておくわけですね。

「マラソンをするのではなく、短距離走のイメージ」と漫画では描かれていましたが、まさにそれですね。

そして、スケジュール通りにいかなくても、「計画通りにいかなかった、もうだめだ」と自分のことを追い込まないことです。多少想定外でも、実行すべきノルマがある程度達成されているならば、それでいいのです。ぜひ、参考にしてみてください。

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)